【私説・論説室から】3アウトチェンジ法案 - 東京新聞(2020年1月6日)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2020010602000147.html
https://megalodon.jp/2020-0106-0947-17/https://www.tokyo-np.co.jp:443/article/column/ronsetu/CK2020010602000147.html

松の内のざれ言と、お許しいただきたい。
自分が国会議員なら、首相に閣僚らの任命責任を厳しく取らせる法案を国会に提出したい。国務大臣任命責任等に関する法律案、名付けて「3アウトチェンジ法案」。
それでは提案理由説明をお聞きください。
安倍内閣では公職選挙法違反が疑われる行為などを理由に閣僚辞任が相次ぎました。昨年十月には一週間に二人の大臣が辞任する異常事態です。安倍晋三総理は、任命責任は私にあると言いながら、責任を具体的に取ろうとはしません。これを放置すれば、日本の民主主義は大きく損なわれます。よってこの法律案を提出し、首相の任命責任を明確にして、政治の道義を確立するものであります」
具体的には首相が閣僚の任命責任を取ると言いながら何もしなかったら「1アウト」。「2アウト」までは我慢するけれど、三回繰り返したら「3アウト」でチェンジ。つまり内閣は総辞職しなければならないと定める内容だ。憲法との関係が気になるが、そこは安倍内閣お得意の憲法解釈の変更で何とか。
第二次安倍内閣以降の七年間で閣僚辞任は十人。この法律が最初からあれば首相は三回退陣しなければならない計算だが、そもそも与党議員の反対多数で成立するわけないか。そこで方針変更。内閣の意に沿わない法律の成立を拒んではならないという法案を、先に出します。その提案理由は…。(豊田洋一)