(政界地獄耳) 政界に波紋…年末4者会談 - 日刊スポーツ(2019年12月30日)


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★28日から冬休みに入った首相・安倍晋三は29日、都内でゴルフを楽しんだが、27日の夜には日本維新の会代表・松井一郎大阪市長や同党前代表・橋下徹大阪市長と都内のレストランで会談した。官房長官菅義偉も同席した。この4人は年末になると会合を重ねることが多く、自民党大阪府連よりも重用し、信頼関係が強いのではないかとの懸念もあり、府連との信頼回復に首相が腐心したこともある。

★ただ憲法改正などは自民党内よりも積極推進派が多く“野党”としての日本維新の会の存在や行動を当てにする部分も多い。またこの4人はカジノ推進で一致しており、前副大臣逮捕で揺れる中、大阪のカジノ推進において影響はないかなど事件の推移や規模の拡大などの懸念材料を相談したのではないかと考えられる。それにしても首相は「桜を見る会」関連の疑惑を抱え、その問題では連日会見で防戦一方の官房長官、維新は都構想の住民投票日程と首相が考える解散総選挙の時期などのすり合わせなど、双方の利害が重なる部分も多く、この2時間半にも及ぶ会食は政界に波紋を投げかける。

★つまり国民が政治の疑惑としていぶかるすべてを抱える会合だとも言え、党内からは「最後の相談相手は維新なのか」と改めて政党とは何かを問う会食でもある。ただ、首相と官房長官の隙間風や維新所属の複数の国会議員や地方議員が「セルフ領収書」を作成している問題や「交通費」を自分に寄付して飲食に利用するなどこちらの税金の運用に疑惑が付きまとう。維新関係者が言う。「この劣勢の中、年明けの早期解散を模索したのではないか。結論は首相の腹の中だろうが、今なら傷が浅いという主戦論が飛びだしたのではないか」。来年への展望か最後の謀議か。政界全体が固唾(かたず)をのむ。(K)※敬称略