(政界地獄耳) 信頼されない首相を支える覚悟はあるか - 日刊スポーツ(2019年11月26日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201911260000062.html
http://archive.today/2019.11.26-005637/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201911260000062.html

★24日の朝日新聞の声欄に大分県の女性からの投書が掲載された。抜粋して引用する。「『桜を見る会』。私は以前からこの会の存在意義に疑問を感じていました。招待者は全員、税金でもてなすような功績があったのでしょうか。税金を使う以上、招待者リストは公開されるべきであり、今年の出席者名簿すら廃棄されたという説明は、どう見ても不自然です。この会の趣旨は、人の人生に優劣をつけることにならないでしょうか。『役に立たなければ存在意義はない』という思想に拍車をかけないでしょうか。今までの会の詳細を明らかにした上で、『お上』が市民を格付けするようなシステムはもうやめませんか」。

★既に与党政治家や官僚がこの問いに正面から答えるすべはない。明らかに本来の姿を歪曲(わいきょく)し選民意識の砦(とりで)にでもするかのように「桜を見る会」を変質させたことに「首相のご意向」とどこかで聞いたことのあるセリフが思い出される。「首相が言うのだから」と権力の威を借り官僚に詰め寄る官邸官僚や政治家、権力の威を借り私人と公人を使い分け奔放に振る舞う首相夫人。結果、首相・安倍晋三は権力を選民意識のツールとして使い、国民を敵と味方に分け、上級と下流を作った。そしてもう1人、官房長官菅義偉に人事権という強大な権力を与え、官僚を言いなりにさせ、公文書やデータを改ざんさせて政権の体裁を整えてきたと言ったら言い過ぎか。

★23、24両日に共同通信が実施した全国電世論調査では、公費による首相主催の「桜を見る会」に関する首相の発言を「信頼できない」との回答は69・2%に上り「信頼できる」は21・4%にとどまった。首相の発言を調査の7割が信頼できないとする結果を首相をはじめ内閣の面々や、そのやり放題に乗じて6000人も招待客を呼び、同罪の自民党はどう受け止めるのか。信頼されない首相をかばい、支える覚悟はあるか。(K)※敬称略

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(声)お上が格付け、「功労者」に疑問 - 朝日新聞(2019年11月24日)

http://archive.today/2019.11.26-043110/https://www.asahi.com/articles/DA3S14268904.html