(政界地獄耳) 隠蔽押し切りたい安倍、問われる自民党 - 日刊スポーツ(2019年11月18日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201911180000091.html
http://archive.today/2019.11.18-004723/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201911180000091.html

★唐突に記者団の前に現れて桜を見る会についての釈明をした首相・安倍晋三。これで説明責任を果たしたなどとは誰も思わない。国会や記者会見から逃げ切れれば何とかなると思ったのは7年間の成功体験からだろうが、国民や与党内からも権力のやり放題の限界ではないかとの声が聞こえる。真っ先にかばった自民党幹事長・二階俊博公明党代表山口那津男ももうだんまりだ。

★焦点は桜を見る会の私的運用と前夜祭の会場となったホテルニューオータニでの金銭の扱いに移ってきた。8日、参議院予算委員会共産党・田村智子がこの問題の質問に立ち、11日夜には首相は首相補佐官兼秘書官・今井尚哉の叔父で元経団連会長、現在ホテルニューオータニの取締役・今井敬と会食しているなど、口裏合わせともとられかねない行動も明らかになっている。

★この動きに年明け冒頭解散を警戒する向きもあるが、自民党内も現実的には総辞職も頭の片隅にあるのではないか。「ポスト安倍」ともいわれる2人の自民党幹部は発言を強める。16日、党政調会長岸田文雄は「国民が疑念を持つならば説明責任を果たしていくことは大事だ」と踏み込んだものの、国会での説明には「国会対策委員会をはじめ現場での判断になる」と一気にトーンダウン。性格が出た感じだが元幹事長・石破茂は同日「政府は公平かどうかを問われている。総理の説明に納得いかないという人もおられるとすれば、きちっと説明していただかないと」とし、翌日には「国会で説明できないのなら、いろいろな場がある。質問する側も準備して臨み、首相がきちんと答える場だ」と連日攻勢を強めながらも助け舟も出している。いずれにせよ、隠蔽(いんぺい)で押し切ろうとする首相に対して、今は自民党が問われていることを肝に銘じるべきだ。(K)※敬称略