<金口木舌>女性が増えれば政治が変わる - 東京新聞(2019年11月16日)

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来年の米大統領選挙の民主党候補者指名争いで、女性のエリザベス・ウォーレン上院議員が頭角を現してきた。富裕層への増税国民皆保険制度導入を政策に掲げ、各種世論調査の平均支持率では2位につけている
▼指名争いに勝利すれば、米国史上初の女性大統領誕生が視野に入る。世界の女性リーダーと言えば、ドイツのメルケル首相、ニュージーランドアーダン首相、ベルギーのウィルメス首相らがいる
▼日本はどうか。衆院議員に占める女性の割合は10・2%、193カ国中165位と極端に低い。県内では県議会・市町村議会ともに1割程度にとどまっている。政界進出を阻む壁として、家族の反対や議員活動と家庭の両立の難しさが挙げられる
▼朗報があった。10日に投開票された久米島町議選で初めて女性の候補者が当選した。元役場職員の新垣幸子さん(54)だ。生活困窮者と引きこもり支援、高齢者の居場所づくりを政策に掲げた
▼出馬を決めた背景に、中高校生の頃に生活保護を受給した経験がある。役場に勤めていた時、家族問題で悩む町民の声を聞き、解決を後押ししたいと考えた
▼「私が活動することで女性議員が増えてほしい」と新垣さん。残念ながら日本で子育てや介護を担うのは主に女性だ。女性の議員が増えれば、こうした現実も変えられるのではないか。その効用は計り知れない。