(政界地獄耳) 実は派兵の派遣…あってはならない - 日刊スポーツ(2019年10月26日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910260000060.html
http://archive.today/2019.10.26-002048/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910260000060.html

★18日の会見で官房長官菅義偉自衛隊の中東派遣の活動範囲を(1)(ホルムズ海峡につながる)オマーン湾(2)アラビア海北部の公海(3)イエメン沖のバベルマンデブ海峡東側の公海と明示していたが、24日の衆院安全保障委員会で防衛相・河野太郎海上自衛隊部隊の中東派遣について「どこかを外すと決めているわけではない。ホルムズ海峡という必要があるかどうかも含め、今後しっかり検討していく」と答弁し、官房長官が示した範囲をさらりと拡大し、ホルムズ海峡も活動範囲として検討を進めていく考えを示した。

★だからこそ、国会審議を経ない防衛省設置法で派遣するのはブラックボックス化する懸念が絶えないのだ。同日、自民党石破派会長で元幹事長・石破茂は定例の会合で「いやしくも実力部隊を出すためには、どのように必要性を国民に説明するかだ。何のために出すのか、どのような法律上の根拠をもってやるのか」と政府の手法に疑問を呈した。また当初は防衛省設置法の「調査・研究」で派遣しておいて途中から自衛隊法に基づく海上警備行動に切り替えるという政府の思惑についても「法律上どのような構成になり、どのような武器使用権限があるか。全部きちんと詰めた上で出していかねばならない」とした。

★また公明党中央幹事会長・北側一雄も会見で「『調査・研究』を根拠にして安易に自衛隊が派遣されることはあってはならない。目的や必要性を国民に説明してもらわないといけない。政府が検討している中身をしっかり聞かせてもらいたい」と強い懸念を表明。調査・研究で派遣し途中から派兵でした。でもこれは派遣です。いつもの政府の手法だが、議会やメディアの目にさらされない派遣は過去の日報改ざんからもうかがえるように国民の信頼がないことをお忘れなく。(K)※敬称略