(政界地獄耳) ホームレスは避難所利用できないの? - 日刊スポーツ(2019年10月14日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910140000112.html
http://archive.today/2019.10.14-012920/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910140000112.html

★いまだかつて経験したことのない雨や風への警戒を促す気象庁の説明がここ数年続いている。過去の事例では表現できない規模の天災が押し寄せてきている。「想定外の規模」を理由に不可抗力を主張するのももう限界だろう。想像を超える想像力が求められているのだ。官邸は1年前から重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議を断続的に開き緊急インフラ点検、災害の頻繁化、激甚化を想定した対策と3年計画の7兆円規模の対策費を取りまとめた。

★昨年だけでも7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震が発生、今年も先月の台風15号の記憶も鮮明だが、今回の19号では9河川10カ所以上で堤防が決壊した。テレビのアナウンサーは「不要不急の外出は控えよ」「命を守る行動を」と国民に連呼したがその繰り返しでいいのだろうか。野宿者支援を行うボランティア団体「一般社団法人あじいる」は台東区の災害対策本部のサイトにのっとり同区の自主避難場所へ上野駅周辺の野宿者を誘導したものの台東区は「ホームレス(住所不定者)については、避難所は利用できないことを対策本部で決定している」と彼らの受け入れを拒否した。身の安全を確保するための避難場所ではないのか、ここでは区民か納税者か否かが問われ命の差別ではないのかと問題提起している。

★今までの行政のセオリーでは間に合わなくなっている現実、先手先手という首相・安倍晋三は12日当日は終日公邸に。台風19号の「非常災害対策本部」は13日に設置された。防災相は13日に長野に向かったが予測できたことへの対応とは言い難い。防災と減災はもっとできたのではないか。防災相は名ばかりで、消防庁総務省に、気象庁国土交通省に属している。本格的な省庁再編で防災省や国土安全省の組織編成が必要な時期ではないだろうか。この形では命を守る行動につながらない。(K)※敬称略

 関連)

一般社団法人あじいる
災害時における台東区の野宿者への対応

ashiato-project.jimdo.com