https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910080000167.html
http://archive.today/2019.10.08-013627/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910080000167.html
★ドイツのネオナチ政治家でドイツの地方議会議員だったドイツ国家民主党ウド・パステルスは10年のホロコースト国際デーの翌日に行った議会演説で「いわゆるホロコーストは政治的・商業的な目的のために利用されている」と発言して12年にドイツの地方裁判所で有罪となった。パステルスはこの判決に対して「ホロコーストを否定することは“表現の自由”だ」と主張した裁判の判決がこのほど下った。
★3日、欧州人権裁判所(フランス・ストラスブール)は「犠牲者を見下し、確立された歴史的事実に反するホロコースト否定」「ユダヤ人と彼らが受けた迫害を中傷するために意図的に虚偽の発言を行った」「正当な根拠がない」「(欧州人権条約で保障された)言論の自由の保護を受けることはできない」とホロコーストを否定することは表現の自由ではないとして訴えを全会一致で棄却した。歴史修正主義者のいう表現の自由には当たらないという“常識”を守った形だ。
★これが欧州での常識であることが改めて確認されたわけだが、転じて我が国ではあいちトリエンナーレの助成金不払い認定を議事録なしで何者かが(と言っても最高責任者は文科相)決定するなど表現の自由を守ろうとする側よりも排除や否定する側が正義のように扱われている。
★4日、首相・安倍晋三は所信表明演説で「先人たちから受け継いだ、わが国の平和と繁栄は必ずや守り抜いていく。そして、新しい令和の時代にふさわしい、希望にあふれ、誇りある日本を創り上げ、次の世代へと引き渡していく。その責任を、皆さん、共に、果たしていこうではありませんか」と宣言したが、先人たちから受け継いだものを壊し、政府に沿ったもの以外は認めないのが令和の時代にふさわしいかどうか、はなはだ疑問だ。(K)※敬称略
関連)
ホロコーストの否定は「表現の自由」に当たらない。欧州人権裁判所が判断下す「正当な根拠ない」 - The Huffington Post Japan(2019年10月6日)
欧州人権裁判所(ECHR)は10月3日、過去に受けた有罪判決を不服として、ホロコーストを否定する権利を主張していたドイツ人の政治家の申し立てを「正当な根拠がない」として退けた。