<南風>人を育む久米国鼎会 - 琉球新報(2019年10月4日)

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1607年、琉球王国の外交や貿易を担うために、中国から毛国鼎という人物が琉球に渡り久米村に住み、代々琉球王国の外交を担い、儒学を広めたそうです。その子孫である久米毛氏門中の方々が、始祖毛国鼎の偉業を継承し、社会の向上発展に寄与するために教育の向上、郷土文化振興、社会公益に貢献することを目的として久米国鼎会が設立されました。
久米国鼎会の取り組みのひとつとして、沖縄県の優秀な人材を育成するという観点から高校生に学資の給付を行い、沖縄県の教育振興に寄与することを目的として奨学金給付事業を行っています。
これまでの実績として、2011年から19年までの奨学生採用累計人数は716人で、支給総額累計は、1億1580万円になるそうです。
今年度は、選考委員会の承認を得て、県立・私立高校61校、選考人数90人の高校生(ひとり年額15万円)が給付され、総額1350万円が支給されました。奨学生決定通知交付式では、希望に満ちた高校生の皆さんひとりひとりに通知を手渡す久米国鼎会の奥村正明会長と、高校生の皆さんとの交流にとても感銘を受けました。
奥村会長は「沖縄を担っていく若い人たちの経済的な負担を軽減し、希望する道に進んでもらいたい」と激励の言葉を送っていました。それを聞いている高校生の表情は、誇らしく引き締まって見えました。
悠久の時を経て、人を育むことを続けていくことがまた新たな歴史を作る、そのような場に参加出来た事は、大きな喜びでした。(赤嶺久美、ジョブリッジ研究所代表理事