(政界地獄耳) どこかで見た?関電不正の言い訳 - 日刊スポーツ(2019年9月30日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201909300000143.html
http://archive.today/2019.09.30-003657/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201909300000143.html

台風15号が停電を引き起こし、日本中の電力会社の技術者たちが千葉に結集、復旧作業にいそしんだが、それが帳消しになるような関西電力の役員らに対する不正、不当と思われる約3億2000万円の支出。公金の使い道の適正さからいっても原発マネーという言葉が当てはまる公金ロンダリングといえる。まして27日の会見で関西電力社長・岩根茂樹は説明にもならない説明を繰り返した。

★社長は発覚してからすぐに発表しなかった経緯を「不適切と判断はしていたが、違法という判断はしてない」と説明。「預かったものを見ているわけではない。いわゆる金庫に保管した状況、一時的に保管」と子供の使いのような回答までしてかわそうとした。まさに安倍政治で言い換えをしてごまかしてきた手法の、まね事である。

★「公文書を書き換えたけど改ざんではない」「武力衝突はあったが戦闘ではない」。「残業代ゼロ制度を高度プロフェッショナル制度」「移民を外国人労働者」「日米FTAを日米TAG」。他にも「異次元」「新しい判断」と称して実態を隠してきたやり方と同じだ。政治の世界の言い訳はこれだけではない。自民党総務会長・鈴木俊一の父、元首相・鈴木善幸は92年2月、共和汚職事件に絡み、衆議院予算委員会参考人招致された際に「カネは善意の保管者として預かった」などと発言。今回の岩根の説明と同じ説明をしている。返せばいい、善意の保管であり、受け取ったわけではないが通用すると思うのか。

立憲民主党代表・枝野幸男は「原発を推進してきた電力会社の姿勢そのもの、それを後押ししてきた自民党政治の姿勢そのもの、本質にも関わる問題ではないか」と、国会で問題視する構えを示唆した。消費税という公金の扱いに国民が敏感な時に、お粗末な話だ。(K)※敬称略