[大弦小弦]改造内閣の針路 - 沖縄タイムス(2019年9月13日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/470388
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晴れて初当選し、国会議事堂の赤じゅうたんを踏む。政治の中枢に身を置き、誰しも心に期すものがあるだろう。新人国会議員の大切な心得とは何か。政策研究か、それとも地元回りか。どちらも欠かせないだろうが、永田町でよく聞く言葉は「1回生の仕事は2回生になること」

▼当選回数を重ねれば、その分、発言力が増す。衆院でいえば、1回生は党務で汗をかき、2回生で政務官、3回生で党の部会長や国会の委員長、4回生で副大臣に就き、5回生でようやく大臣のいすが見えてくる

▼派閥政治の順送りに賛否両論あろうが、そんな縦社会の階段を一段ずつ上っていく。そうしてたどり着くのが衆院5回、参院3回以上の「入閣待機組」だ

自民党に70人。今回の内閣改造では、自民の初入閣12人のうち11人を占め、たまりにたまった待機組の期待にできる限り応えてみせた

安倍晋三首相は悲願の憲法改正を「必ず成し遂げる」と語った。公言する「2020年の改正憲法施行」に向け、来る臨時国会改憲論議のアクセルをふかせるはずだ

▼「首相は年内に改憲衆院解散を打ち、勝負を賭けるだろう」。旧知の自民党関係者はこう予言した。臨時国会で議論が停滞すれば局面突破を狙うのか。唯一待機組ではない38歳の若き大臣の動向ばかりに目を奪われてはいられない。(西江昭吾)