(政界地獄耳) 「2000万円」は官僚の確信犯!? - 日刊スポーツ(2019年7月3日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907030000201.html
http://archive.today/2019.07.03-015607/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907030000201.html

参院選だけだからと言って衆院は暇かと言えばそうではない。どの党もそうだろうが自民党秘書会も派閥単位で東京の秘書が参院選候補者の応援に向かう。その準備をする中、衆院議員秘書と話し込んだ。「ここ1年、霞が関の役人の雰囲気が変わった。どの役所にも課長補佐までは若手官僚として自由にアイデアも出し、省内を改革しながら進めるというガッツある官僚がいる。向こうもこの議員はできる人材か、どの分野に強いかを諮りながら付き合いを深め親しくなっていく。それは食い込んでいくとも言える」。

★続けて「ところが最近はことに課長以上は慎重だし、メモを取るかどうか、資料を出すかどうか『上の判断次第』というようになる。課長としての決済にもかなり慎重で、自らの保身だけというよりも自分の判断で全体が崩れることを組織として恐れているようだ」と解説する。官僚はそれでも粛々と仕事をするよう訓練されているから気にならないのだろうかと問うと「そんなはずはない。たぶん働き方改革で、早く帰れと言われて残業しづらいこともあるだろう。だが、近くの居酒屋でくだを巻くほど間抜けではない。ストレスは今まで以上だろう」と秘書。

★加えて「まさかとは思うが、最近の金融庁の年金2000万円問題、防衛省のイージス・アショアの調査データミス問題など、この間までは政府与党が官僚に資料やデータの改ざんや隠蔽(いんぺい)を指示していたものが、今度は官僚のミスが続発しているかのようになっている。彼らがそんなミスを本当に犯すだろうか」とつぶやく。つまり確信犯的ミスやクーデター色がないかと言いたげなようだった。優秀な官僚は政治に翻弄(ほんろう)されることを本能的に嫌うがさて本当のところはどうだろうか。(K)※敬称略