[大弦小弦]映画「愛と法」から学ぶ 「普通」って何? - 沖縄タイムス(2019年6月22日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/435983
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大阪で法律事務所を営むゲイの弁護士カップルに密着した映画「愛と法」が沖縄市のシアタードーナツで上映中だ。差別や偏見と闘いながら家族となった2人の元へ「生きづらさ」を訴えて訪れる人たちと、一緒にもがきながら「自分らしさ」を求めるドキュメンタリー

▼日本で生まれながら1万人以上いる無戸籍者や作品が「わいせつ」だとして罪に問われた芸術家など。さまざま生き方と社会のしくみの間で葛藤する姿に「普通って何?」と考えさせられる

▼先日あったピースフルラブ・ロックフェスティバルの審査会で本番への出場権を得たのは女装姿で迫力ある演奏をした「DX×DX(デラックスデラックス)」

▼ボーカルのアサガオさんは幼い頃から男性が女装してパフォーマンスをするドラァグクイーンに憧れていたが、周りを気にして長年明かせなかった

▼学生時代にドラァグクイーンが生き生きと存在感を示す海外の映画やミュージカルなどをむさぼるように鑑賞。自分を見つめ直し、夢へと踏み出すきっかけになった

▼活動3年目。認め合える仲間もいる。奇異な目には「かわいいでしょ。舞台を見に来て」と自信を持って答えている。「私にとってこれが普通」。7月の13日の初の大舞台ではありのままの姿で大暴れする。人それぞれの生き方を受け止められる社会でありたい。(石川亮太)

 


ドキュメンタリー映画『愛と法』予告編