(政界地獄耳) 転換か進化か 共産が「新天皇に祝意」 - 日刊スポーツ(2019年5月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905130000121.html
http://archive.today/2019.05.13-013909/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905130000121.html

★1日に共産党が「新天皇の即位に祝意を表します。象徴天皇として、新天皇日本国憲法の精神を尊重し擁護することを期待します」と談話を出すと、9日には衆院本会議で天皇陛下の即位に祝意を示す「賀詞」を全会一致で議決した。即位直後に賀詞を議決したのは憲政史上初めて。参院も今週、賀詞を採択する予定だ。政界では共産党が賛成したことが話題となっている。

★同党の04年に改定した綱領の天皇条項は「『国政に関する権能を有しない』などの制限規定の厳格な実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する。党は1人の個人が世襲で『国民統合』の象徴となるという現制度は民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ。天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」とある。これを読むと賛成は難しそうだが。

★9日の党委員長・志位和夫は会見で「天皇の制度というのは憲法上の制度だ。この制度に基づいて新しい方が天皇に即位をするのですから、これは祝意を示すことは当然。私も談話で祝意を述べた。ですから国会としても祝意を示すことは私たちは当然だと考えた。将来の問題として共産党としては天皇の制度は人間の平等あるいは民主主義とに照らして問題がある」ものの、つまり理想とは違うが護憲の精神から憲法上の現状に即して認めるというもの。ここがなかなか分かりにくい。もっと分かりにくいのは消極的賛成ならばともかくも「祝意」を表したところだ。野党共闘のたまものか、微調整しながら普通の党になろうとしているのか。共産党オールドファンには複雑ではないのか。まさに時代は令和に突入したということか。転換なのか進化なのか。(K)※敬称略

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天皇即位の賀詞と、天皇の制度について/記者会見での志位委員長の一問一答 - しんぶん赤旗(2019年5月10日)

http://archive.today/2019.05.10-092627/http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-05-10/2019051002_04_1.html