<金口木舌>「ワイルド」な改憲とは? - 琉球新報(2019年4月24日)

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ちょっと前にはやったお笑い芸人の一発ギャグではない。政権党に身を置く名の知れた政治家の発言だ。笑えないし、黙って見過ごすわけにもいくまい

▼18日、インターネットテレビ番組に出演した自民党萩生田光一幹事長代行。憲法改正に絡んで「(天皇陛下の)ご譲位は終わって新しい時代になったら、少しワイルドな憲法審査を進めていかないといけない」と持論をぶった
▼今国会で憲法審査会が衆参両院で一度も開かれていないことに疑問を呈した萩生田氏。野党が開会に消極的だとして「令和になったらキャンペーンを張るしかない」とも言い切った。たちまち野党の批判を浴び、19日には陳謝する羽目に。お粗末というほかない
▼新しい天皇が即位し、令和の時代になれば手荒な手法で改憲を進めても国民は許してくれると考えたのだろうか。そんなふうに改元を捉える人はいまい。迷惑な話である
▼萩生田氏は安倍晋三首相側近の一人に数えられ、内閣官房副長官の地位にもあった人。彼の発言は改憲に熱心な安倍首相の姿勢にも通じていよう。しかし、世論はついてはいかぬ
▼多くの国民は安倍政権下の改憲を望んでいないことが各種世論調査で分かっている。改憲に突き進むなら、それこそワイルドであり、粗暴だ。改元の2日後には憲法記念日が巡ってくる。憲法の意義を見詰め直してはどうか。

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自民・萩生田氏が発言 「憲法審査 ワイルドに」/一方的強行を狙う - しんぶん赤旗(2019年4月20日)

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