[大弦小弦]沖縄市中央で中古学生服を格安で提供する「子ども応援団笑(わら)びん」が… - 沖縄タイムス(2019年4月6日)

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沖縄市中央で中古学生服を格安で提供する「子ども応援団笑(わら)びん」がにぎわうのは中学や高校の入学式を控えたこの時期だ。所狭しと制服がつり下がる店内から品定めをする親子の掛け合いが聞こえてくる

▼夏冬一式で3~4万円する学生服。新調できずに入学式を欠席する子もいると聞くと、胸が締め付けられる。娘が中学に入学する際に困った経験がある森田好美さん(50)と糸数綾乃さん(47)が活動を始めて4年

▼新聞やテレビでの紹介、学校での広報紙配布で認知度が高まり、昨年度は約180組が利用した。困窮世帯に限らず、洗い替え用や成長を見越した予備の需要も多いという。目当ての「お下がり」を手に店を後にする親子を見ながら気掛かりなことを思い出した

▼法人や個人からの寄付金を子どもの貧困解消に役立てようと、弊社に事務局を置く「沖縄こども未来プロジェクト」。非課税世帯の新高校生を対象にした入学応援給付金の募集では定員200人に対し約2・5倍の応募があり、ニーズの高さがうかがえる

▼給付が決まった親子から支援者への感謝の声が届く一方、原資不足で浄財を届けられなかった世帯も

▼困っている親子が目の前にいる。自分たちに何ができるか。一朝一夕にはいかない行政施策の拡充を不断に求めつつ、ゆいまーるの連鎖にも期待したい。(石川亮太)