(政界地獄耳) 普天間返還 実は不確実 - 日刊スポーツ(2019年2月22日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902220000173.html

http://archive.today/2019.02.22-012810/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902220000173.html

★沖縄の辺野古基地県民投票を前に整理しておきたいのは、沖縄県辺野古基地建設の根拠は首相・安倍晋三が「悪夢」という民主党政権の首相・鳩山由紀夫が沖縄の基地負担軽減から「少なくとも県外」を打ち出したことからスタートした。鳩山は国として決定すれば可能なはずと徳之島案を打ち出す。ところが外務省は極秘指定文書なるものを持ち出し、「ヘリコプター部隊は訓練場のある沖縄本島から65カイリ(約120キロ)以内に置く必要がある」と書かれ、「それを超える例は世界的にない」と、徳之島案を認められないと鳩山の判断を鈍らせた。

★鳩山は辞任に追い込まれたが、のちに米軍は「そんな基準はない」とし外務省も「そんな文書はない」ととぼけ始めた。今でこそ官僚にとっては「官邸のご意向」が威力を発揮するが、鳩山官邸はその逆で「米軍の意向」と外務官僚が官邸を誘導した。このいきさつが政府が錦の御旗にする「普天間飛行場の危険除去のため辺野古が唯一の解決策」「普天間の固定化は避けなければならない」につながる理屈になっている。ところが辺野古に基地が移設されれば普天間基地はなくなる、または日本に返還されると誰もが思うし、辺野古基地建設はそのために行うとなっているが、普天間基地が返還されるか否かは実は不確実だ。

★2800メートルある普天間に対して辺野古の計画は1800メートルが2本造られる計画。17年の米政府監査院(GAO)報告書は代替施設の滑走路は必要な長さを満たしていないと指摘し、条件が整わなければ普天間を米軍が手放すことはない。つまり現状では軟弱基盤でいつ完成するかもわからない辺野古が唯一の解決策にはなりえない。政権の“悪夢のような”説明、米軍へのおよび腰、いずれも我が国が抱える矛盾の象徴が辺野古基地建設であり新しい基地建設でしかない。沖縄県民以外も、もう少しこの事実を知るべきだ。(K)※敬称略

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