水面下90m杭打ち船、国内になし どうする?新基地の大浦湾地盤改良 - 沖縄タイムス(2019年2月9日)

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沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、大浦湾の護岸予定地付近で確認されている水面下最大90メートル(水深30メートル、地盤60メートル)の軟弱地盤を改良工事するための作業船が国内に存在しないことが8日、分かった。日本作業船協会(東京)によると、国内で確認されている作業船が地盤改良のために砂杭(すなぐい)を打ち込める深さは最大で70メートルで、最新の資料で70メートルに対応する船は2隻。政府は大浦湾で約6万本の砂杭を打ち込む検討をしているが、現時点で国内の船で90メートルまで打ち込むことは事実上不可能となっている。

最深は70m 2隻のみ

土木の専門家からは「深さ90メートルの軟弱地盤の改良の実績は国内で聞いたことがない」との指摘が上がっており、対応可能な作業船が国内に存在しないことが裏付けられた。政府は大浦湾で4年間で最大70メートルまでの地盤改良を検討しているが、不完全な改良のまま新基地建設を進める可能性がある。
日本作業船協会が2年おきに作成している企業などが所有する船を集計する「現有作業船一覧」の最新の2017年版では、護岸予定地の軟弱地盤に砂杭を打ち込む「サンドコンパクションパイル工法」が可能な船は19隻。改良が可能な最大深度は70メートルまでとなっている。
埋め立て地部分では最大深度80メートルの軟弱地盤が見つかっており、液状化対策で砂杭を打ち込み水分を抜く「サンドドレーン工法」が可能な船は8隻で最大深度は60メートルにとどまる。
同協会は沖縄タイムスの取材に対し「現在、19年版を作成中だが、国内の船でサンドコンパクションが可能なのは70メートルまでで間違いない」とし、海外の作業船の状況については「分からない」とした。同時に「深さが90メートルとしても、全て砂杭を打ち込まないといけないかは設計や上に載せる構造物による」とも述べた。
また、政府は護岸周辺の地盤改良のためサンドコンパクション船11隻を同時に投入することを想定しているが、軟弱地盤の問題を指摘してきた沖縄平和市民連絡会のメンバーで土木技師の北上田毅氏は「現有19隻の数を見ても11隻同時に稼働するのはあり得ない」として工事の長期化を指摘した。

 

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