コンドーム生産量の統計にも誤り、首相ら責任追及 - 日刊スポーツ(2019年1月29日)

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201901290000878.html
http://archive.today/2019.01.30-002508/https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201901290000878.html

 

厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査問題で、日々ずさんな対応が露呈する中、コンドームの生産量に関する統計にも誤りがあったことが29日、分かった。

同省が所管し、医薬品や医療機器の生産量をまとめた基幹統計「薬事工業生産動態統計」で、09年12月分のコンドームの生産量が約4億7538万個と、他の月に比べて爆増していた。

匿名のブログの指摘で厚労省が調査。09年1~11月の月報で、各月は1ケタ少ない約2900万~3700万個だったが、同省は同日、09年12月分の生産数量と出荷数量の数値を訂正。「製造所による報告の誤り」としている。訂正前の生産量は実際の約15倍だった。ただ、1年分の数値をまとめた年報の個数に誤りはなく、年報作成時に当時の担当者がメーカーに確認して正しい数字を把握しながら、月報を訂正しなかった可能性が高いという。当時の担当者は「詳細は覚えていない」と説明している。

一方、厚労省は毎月統計の不正問題で調査内容の中立性が保てない実態が続くことを受け、外部有識者でつくる特別監察委員会の調査の全面的やり直しを決定。新たに「賃金構造基本統計」調査でも不適切処理が判明。24日に総務省が一斉点検の結果を公表した56の基幹統計の1つだが、厚労省は報告していなかった。

この日の参院本会議では野党が根本匠厚労相の罷免と安倍晋三首相の辞任を求めたが、首相は拒否。一方、不正があった毎月勤労統計をアベノミクス成功の根拠にしていたとの批判にも「再集計で下方修正した数値だけを示し、成果を強調したことはない」と突っぱねた。30日からの衆参両院代表質問でも、首相や根本氏の責任追及が強まる。