(政界地獄耳)攻めどころ満載国会 野党どう出る? - 日刊スポーツ(2019年1月21日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201901210000084.html
http://archive.today/2019.01.21-020527/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201901210000084.html

★国会は28日から開会するが、政権にとっては暗雲立ち込める状況ではないのか。野党は手ぐすね引いているといってもいいだろう。内政では厚労省のずさんな勤労統計調査問題が大きい。本来は必要なかったシステムの組み替え費195億円の大半を労働保険特別会計で対応する理屈もわかりにくいし、アベノミクスのデータの正当性から予算措置まで荒れるだろう。

★沖縄の5市県民投票不参加問題を総務省はどう受け止めているのか。投票できない県民が3割に上る。自民党もだんまりを決め込んでいるが、こんな理由がまかり通るなら統一地方選不参加も合法ということになりかねない。財務省は予算審議とともに消費税とキャッシュレス化に伴う問題が山積することだろう。消費税値上げが確定するかも焦点になる。法務省では外国人を受け入れる入管法改正は奴隷法とまで言われたが、法律が先の国会で成立してもなお今国会で審議が行われる異例の状況だ。

文科省のみならず関係省庁が多岐にまたがるのは日本オリンピック委員会JOC)会長・竹田恒和東京五輪招致委員会当時、シンガポールコンサルタント会社に約2億2000万円でロビー活動などを依頼。そこが国際オリンピック委員会IOC)の実力者に賄賂を贈った疑惑となった。仏検察当局が積極的で成り行きは不透明だが、同件は国内でも1度問題になった。五輪族は「問題なし」で逃げ切ったつもりだろうが甘くはなかった。それもこれからフランスの手によって暴かれるのも日本の捜査能力や健全性まで問われる。そして外務省。韓国との関係は日本サイドの過度な挑発に上げたこぶしが下ろせなくなっている。北方領土と日ロ関係はどうなるのか。これだけ材料があれば野党は相当攻められそうだが、調査能力もなくそれもままならないとなれば、野党の役割などない。この国会は激突国会になるか否かが問われる。(K)※敬称略