日立株が11日に急騰 ドライな市場が突き付けた「原発NO」 - 日刊ゲンダイ(2019年1月12日)

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245372

市場が「原発ノー」を鮮明にした――。11日の日経平均株価は前日比195円高の2万359円だった。
元気だったのが、前日終値3080円の日立製作所だ。朝は小幅な値動きをしていたが、午前11時になって急騰した。3200円を突破し、午後には3354円まで付けた。終値は3346円だったが、前日比8.64%も上がった。昨日の日経平均は0.97%アップだったから、日立の株高は際立っている。午前11時に何があったのか――。兜町関係者はこう説明する。
「10時59分に日経電子版が、日立が英国の原発建設を中断するというニュースを配信したからです。記事には、来週の取締役会で計画中断を決める予定であることや、2000億〜3000億円の損失を2019年3月期中に計上する見通しを伝えていた。英原発凍結のニュースはすでにされていますが、具体的な道筋まで報道され、投資家に好感が広がったのです」
10日の日英首脳会談で日立の原発計画についてメイ首相は「企業の商業的な判断となるだろう」と言い、安倍首相は「現在、日立など関係機関で議論が行われている。その検討を待ちたい」と両首脳とも“様子見”のような口ぶりだったが、日立は原発離脱を固め、市場はそれを歓迎している。安倍だけが原発にこだわっているが、ドライな株式市場は、原発に未来がないことを見抜いているのだ。