さいたま市、9条俳句掲載へ「作者の気持ちに配慮」 不掲載は違法との判決確定受け、女性に謝罪の方針 - 埼玉新聞(2018年12月26日)

 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181226-00010000-saitama-l11
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憲法9条を詠んだ俳句の公民館だより掲載を巡り、作者の女性(78)が埼玉県さいたま市に慰謝料と俳句の掲載を求めていた訴訟で、同市の細田真由美教育長は25日、会見を開き、不掲載を違法と判断した東京高裁の判決が確定したことを受け「作者の気持ちに配慮する」として、女性に謝罪し、俳句を公民館だよりに掲載する市の方針を発表した。

9条俳句訴訟、さいたま市の賠償確定へ 最高裁、女性と市の上告退ける 女性、支援に感謝
訴訟を巡っては、同市大宮区の三橋公民館が2014年6月、「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ俳句を公民館だよりに掲載しなかったとして、作者の女性が15年6月、慰謝料や俳句の掲載を求めて市を提訴した。17年10月、一審のさいたま地裁判決は「思想や信条を理由に不公正な取り扱いをした」として、市に慰謝料5万円の賠償を命令。二審となる今年5月の東京高裁判決も不公正な取り扱いをしたと認め、「掲載しなかったことに正当な理由はない」と判断し、市に慰謝料5千円の賠償を命じている。女性が求める俳句の公民館だよりへの掲載については一審、二審とも退けており、市と原告双方が上告していた。
最高裁は今月20日付で、「本件上告を棄却する。本件を上告審として受理しない」との決定を下し、双方の上告を棄却。二審の東京高裁判決が確定していた。
細田教育長は、俳句の作者には公民館だよりに俳句掲載の請求権がなく、市に掲載義務がないとしつつ「作者の人格的利益を侵害したとして、損害賠償を命じた二審判決が確定した点を真摯(しんし)に受け止め、謝罪する」と表明。「作者の気持ちに配慮し、市のこれからの公民館のあるべき姿につなげたい」とし、できるだけ早い時期に、俳句を公民館だよりに掲載するとした。
市は今後、損害賠償金5千円と、遅延損害金の支払い手続きに入るとしている。