<女川原発>再稼働問う住民投票請求 県民の理解深める契機に - 河北新報オンラインニュース(2018年12月13日)

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201812/20181213_13032.html
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東北大大学院准教授河村和徳氏(政治学

原発再稼働の是非を問う住民投票は、再稼働についての宮城県内の有権者の賛否を「見える化」する意義がある。原発を巡る議論が風化する中で改めて考えてもらう機会になり、住民が政治参加できるという手段を示したことも評価できる。
首長や議員は選挙の洗礼を受けた代理人だが、有権者は全ての地域課題を白紙委任したわけではない。本来、住民への意見聴取プロセスを十分に果たしていれば、住民投票を求める声は出ないはずだ。
課題もある。設問は二者択一で、「今は仕方ないが原発は中長期的にいらない」といった時間軸の選択肢がない。議員は投票結果が自身の意見と異なると、次の自分の選挙にどう影響するか計算するので慎重にならざるを得ない。
ただ、現在の県議会は1人区が多く、与野党どちらかの声が反映しにくくなるなど民意の縮図になりきれていない。簡単に賛否は決められないだろう。
(直接請求を経て)条例案が県議会に上程されれば議論を喚起し、しっかりと判断の根拠を示すべきだ。これまで県議会は復興議論が優先され、本格的な原発議論は見送られてきた面もある。分断ではなく、県民の理解を深める契機にする必要がある。
(談)