沖縄県が国地方係争処理委に審査申し出 辺野古埋め立て - 朝日新聞(2018年11月29日)

https://www.asahi.com/articles/ASLCY3V89LCYTPOB001.html
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米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄県玉城デニー知事は29日、石井啓一国土交通相が埋め立て承認撤回の効力停止を認めたのは違法だとして、総務省の第三者機関である「国地方係争処理委員会」(富越和厚委員長)に審査を申し出た。
玉城氏は県庁で記者団に理由を説明した。防衛省(沖縄防衛局長)は国の機関で、私人を救済するための行政不服審査法に基づき執行停止を申し立てることはできない▽移設計画を進める安倍内閣の一員である国交相が判断するのは地位の乱用だ――とし、効力停止は違法と主張。「対話による解決を図るため違法な決定は取り消される必要がある。中立・公正な審査をお願いしたい」と訴えた。
係争委は、国の公権力の行使に対して不服がある場合、地方自治体が審査を申し出る機関。専門家5人が委員を務め、90日以内に結論を出す。違法と認めれば国に必要な措置をとるよう勧告し、違法でないと判断すれば自治体に通知する。自治体は結論に不服があれば高裁に提訴できる。
辺野古移設をめぐり沖縄県が係争委へ審査を申し出るのは3回目。2015年に翁長雄志知事が実施した埋め立て承認取り消しに対して国交相が認めた効力停止と、取り消し撤回を求めた国交相による是正指示に対してだった。係争委は効力停止をめぐっては「審査対象にならない」と却下し、是正指示をめぐっては適正か否かを判断せず、政府と県が協議するよう求めた。(伊藤和行