いずも「空母化」明記へ 新防衛大綱 専守防衛、逸脱恐れ - 東京新聞(2018年11月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201811/CK2018112802000164.html
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政府は二十七日、年内に見直す防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」に関し、海上自衛隊護衛艦に戦闘機が離着陸できるようにする事実上の「空母化」を明記する方向で調整に入った。政府・与党関係者が明らかにした。米国製ステルス戦闘機F35Bの運用に向け、ヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」を改修する。運用次第では他国への攻撃に使われ、専守防衛を逸脱する恐れがある。
岩屋毅防衛相は記者会見で、いずも空母化に関し「せっかくある装備なので、できるだけ多用途に使っていけることが望ましい」と前向きな姿勢を示した。F35Bについても「いま研究している」と導入に含みを持たせた。F35Bは短距離滑走で離陸し、垂直に着陸できることが特徴。
政府は、空母化によって基地のない太平洋の防空や南西諸島の防衛力強化を図る。運用は防衛目的に限ると強調することで、野党や周辺国の理解を得たい考えだ。
今後、大綱見直しに向けた与党ワーキングチーム(WT)で用途や名称の詰めの協議を進める。
空母化を巡っては、防衛省が今年四月、いずもでのF35Bの発着が可能かどうかを調査し、甲板を改修すれば運用できるとの結果を公表。自民党は五月、「多用途運用母艦」の導入を大綱に盛り込むよう政府に提言し、併せてF35Bの取得も求めていた。