元慰安婦への補償不十分 国連委、最終見解 日本政府に遺憾 - 東京新聞(2018年11月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201811/CK2018112002000283.html
http://web.archive.org/web/20181120114352/http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201811/CK2018112002000283.html

ジュネーブ=共同】国連の強制的失踪委員会は十九日、日本に対する審査の最終見解を公表した。旧日本軍の慰安婦問題について、元慰安婦らへの補償は十分とは言えず「最終的かつ不可逆的に解決した」との日本政府の立場に遺憾の意を示した。最終見解に法的拘束力はない。
ジュネーブ国際機関日本政府代表部の担当者は「最終見解は誤解や偏見に基づく一方的なもので極めて遺憾だ」と述べ、国連人権高等弁務官事務所に抗議したことを明らかにした。
慰安婦問題を巡っては、日本は二〇一五年の日韓合意で最終的かつ不可逆的な解決を確認したと強調。一方、韓国は合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」の解散を決定したと報じられるなど、日韓両政府の食い違いが目立っている。
委員会は、国家による外国人拉致などを禁じる「強制的失踪防止条約」の締約国の状況を審査。日本は今月上旬に審査を受け、慰安婦問題は条約発効前の出来事で、委員会で扱うのは適当ではないと主張していた。
最終見解は、元慰安婦らは国家による強制失踪の犠牲者の可能性があると指摘。条約が定める適切な補償が十分に行われていないとして懸念を示した。「慰安婦の正確な人数などの情報も不十分で、調査や情報開示が必要だ」と指摘、最終的に解決したとする日本政府の立場に疑問を示した。