(大弦小弦)「落ち着いて仕事に集中できる」「疲れたら昼休みに体を休めることができる」… - 沖縄タイムス(2018年10月24日)

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「落ち着いて仕事に集中できる」「疲れたら昼休みに体を休めることができる」。身体や精神に障がいがありながら、在宅で自分らしく生き生きと働く姿は頼もしかった

▼以前取材した障がい者雇用を考えるフォーラムの一こま。従業員の8割が障がい者という東京の企業が、インターネット電話でつないで紹介した在宅勤務者の感想だ

▼ことし4月の障がい者の法定雇用率などの改定に伴い、企業や障がい者雇用を支援する側、当事者らが学ぶ機会が多くあった。障がいを理解し、どうサポートしていくか。多様な働き方への相談や説明会に関心が集まった

▼そんな民間の動きをよそに、明らかになった中央省庁の障がい者雇用の水増し問題。検証委員会がまとめた調査報告書では、沖縄でも県知事部局や教育委員会などで100人余りの水増しがあった

障がい者手帳を確認していなかったなどが主な要因だが、認識の甘さだけではすまされない。問われているのは、障がいに関係なく社会参加できる「共生社会」にどう対応するかの意識だろう

▼先述の企業は大切にしている二つを挙げる。多様な障がいを認め合い、適切に配慮し合う「ケア」、障がいがあっても自己ベストを目指す努力と成長を公正に評価する「フェア」。行政には共生社会の原点ともいえるその精神を学んでほしい。(赤嶺由紀子)