加計氏、あいまい会見 愛媛県文書「全く見てない」 - 東京新聞(2018年10月8日)

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学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の加計孝太郎理事長は七日、学園が運営する愛媛県今治市の岡山理科大獣医学部で記者会見した。学部新設を巡り、「理事長と安倍晋三首相が面会した」と愛媛県今治市に虚偽の説明をしたとされる学園の渡辺良人事務局長について「事が前に進まず、勇み足で誤解を招くようなことを申し上げた」と述べた。 
加計氏は「記録がないので会っていないと思う」と改めて面会を否定したが、この日もあいまいな説明に終始。学部新設が「加計ありき」で進められたとの疑念は解消されなかった。
問題発覚後、加計氏が愛媛県で会見するのは初めてで、説明責任を果たすよう学園に求めた七月の県議会決議を受けた対応。加計氏は「学園全体としておわび申し上げる」と謝罪した。
加計氏は、愛媛県文書に記載された自身と安倍首相との面会に関し「県からも市からも手を引かれたら学園だけでは(学部新設が)到底できないため、(渡辺氏が)そういうことを言った」と説明。どこまでが架空の内容なのかは「よく存じ上げていない」と述べた。
学園職員らが首相官邸で首相秘書官だった柳瀬唯夫氏と面会したことには「知らない。大きな流れは事務局から報告を受けているが詳細は分からない」と説明。「(柳瀬氏とは)いろんなパーティーで会ったことはあるが、いつどこで会ったかは覚えていない」と話した。
加計氏は、問題の県文書を「見ていない」と説明。学園側は、文書内容を確認するなどした上で、今後記者会見するか県や市と協議するとした。
今治市の菅(かん)良二市長は七日、報道陣の取材に「会見の様子を見ていないので、あれこれ申し上げられない」と述べた。
愛媛県は今年五月、首相が加計氏と二〇一五年二月に面会し、学部新設の説明を受けたとの学園側の報告に基づく文書を国会に提出。学園側は面会を否定し、渡辺氏が今年五月三十一日に県と今治市を訪れ謝罪した。加計氏は六月に岡山市の学園本部で会見したが、参加を地元記者に限定し二十五分ほどで打ち切った。