安倍首相が秋葉原街宣で大量の組織動員! 係員が「動員の方ですか?」とステッカー提示求め一般市民を排除 - リテラ(2018年9月19日)

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本日、自民党総裁選の最終日を迎え、安倍首相はいつものJR秋葉原駅前に現れたが、またも駅前ロータリーには、日の丸の小旗をふる聴衆が大集結していた。しかし、この光景はなんともトホホな裏があった。
今回の総裁選で安倍首相は醜態を晒しつづけてきた。たとえば、対抗馬である石破茂・元幹事長の陣営に対し「干すぞ」と恫喝したり、神戸市議らにも「石破の応援演説に参加すれば将来に差し障る」と圧力をかけ、さらに石破派の斎藤健農水相も安倍支持の国会議員から「辞表を書いてからやれ」と迫ったことを暴露されるなど、その「パワハラ体質」をいかんなく発揮。
しかも、台風21号や北海道地震などの大規模災害が連続して発生、石破氏は総裁選の延期を提案したが、安倍自民党はこれを拒否して3日間の選挙活動の自粛とした。その結果、東京・銀座で予定されていた8日の安倍首相と石破氏による街頭演説会は中止となり、東京では2人の合同街頭演説会がおこなわれなかった。

「公正、正直」をスローガンに掲げ、安倍首相が民主主義をいかに壊しているのかを訴えながら憲法改正にも「まずは議論を」と主張する石破氏は、当初、国民からの支持を伸ばしていた。現に、ANN世論調査の8月18・19日実施時点では、自民党の次期総裁は安倍氏がいいと答えた人は34%だったが、石破氏は42%で安倍首相を上回ったほどだ。
東京で合同街宣演説会を開けば、その声援に差がつき石破人気が印象付けられること、さらに昨年の都議選時のように「こんな人たち」から安倍首相への批判や抗議の声があがることを安倍陣営は恐れ、災害にかこつけて合同街宣演説会を中止にしたのである。
安倍陣営の姑息さには反吐が出るが、それはきょうの単独街宣も同じだった。きょうの秋葉原街宣で安倍陣営は、日の丸を振る安倍応援団だけではなく、業界団体にまで大々的な「動員」をかけていたのである。
●係員が立ちはだかり「動員の方ですか?」と一般市民を排除し、支持者を良席へ誘導
事実、安倍首相が演説をおこなった街宣車に近い歩道は、カラーコーンとバーで通行を規制し、さらにメディアのカメラが並んだ側の安倍首相がよく見える場所や、同じくもっとも眺めがいい2階の通路正面側では、鉄柵が張り巡らされ、中に入ろうとすると自民党スタッフがこう言って立ちはだかった。
「動員の方ですか? ステッカーを見せていただかないとここには入れません」
きょうの街頭演説会の開始前、秋葉原駅前ではいろんな場所でスーツ姿の人々が名刺交換をおこない、「自民党総裁選 9月20日開票」と書かれた白いステッカーを手渡している場面があちらこちらで見られた。
週刊朝日」オンライン限定記事(9月16日配信)によると、9月14日、「安倍総裁三選を応援する有志の会」代表・下村博文衆院議員の名前で、こんなFAXが〈東京都内の業界団体〉に送られていたという。
自由民主党総裁選挙の投開票を控え、私ども東京都選出国会議員有志は「安倍総裁三選を応援する会」を結成し、下記の通り「東京街宣演説会」を開催することと致しました。急なお願いで大変恐縮ではございますが、皆さま方におかれましては是非足をお運び頂き、できるだけ多くの方の動員にもご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます〉
しかも、このFAXにはご丁寧にも〈東京街頭演説会に(出席・欠席)します〉と出席するか否かを丸をつけて報告させる「出欠票」が付いており、そこには「団体名」や「参加人数」、「現場担当者名」「連絡先携帯番号」までをも記述して返信するよう求めている。きょう、秋葉原でやりとりされていた総裁選の白ステッカーは、こうやって動員をかけられてやってきた人々に配られていたのだ。
ステッカーなく排除された一般市民が後方から「安倍やめろ!」コール
それでなくても安倍首相は、公示前に石破氏が論戦を求めても一度も応えなかったが、その一方で日本歯科医師連盟や全国建設業協同組合連合会政治連盟の会長と相次いで面談したり、日本医師会の会報の一面で同会会長の横倉義武氏と対談をおこなうなど業界団体の支持取り付けに奔走してきた。そして、今度は見せかけの聴衆を集めようと大号令をかけていたのである。
石破氏は18時から渋谷駅前でやはり街頭演説会をおこなったが、安倍首相がJR秋葉原駅前で演説が終わったのは17時45分くらいで、ほぼ同じ時刻。ようするに、「俺のほうが多くの国民に支持されている」と誇示するために、見せかけの支持者を秋葉原に集めさせたのだ。
大量の動員をかけたのは、安倍首相を批判する市民の声を封殺する目的もあったはずだ。実際、安倍首相の演説中には「安倍やめろ!」とコールがあがったが、動員のせいで一般市民は後方に追いやられた状態でのこと。しかも、きょうは籠池泰典・前理事長がまたも“サプライズ”登場したが、籠池氏も後方から安倍首相を見守っていた。
このあくどい選挙活動ひとつを見ても、とてもじゃないが一国の総理大臣がやるようなことではない。いや、選挙活動だけではなく、石破氏との論戦では、安倍首相は目をキョロキョロと泳がせながら、国民に対して嘘や詭弁を言い放ってきた。
たとえば、利害関係者である加計孝太郎理事長とのゴルフについて問題があるのではないかと問われた際、「ゴルフじゃなくてテニスや将棋ならいいのか」と小学生並みの強弁をしたほか、石破陣営への恫喝問題も「もしそういう人がいるんであれば、名前を言ってもらいたいんですね」などと生放送で脅しをかけたり、拉致問題も「解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはない。被害者家族が言ったのは承知している」と責任放棄。プーチン大統領による領土問題を棚上げした平和条約締結発言についても「平和条約締結は領土問題を解決してからとプーチン大統領の発言後も本人に言った」と主張したが、露・ペスコフ大統領報道官は「(プーチン大統領の提案後に)実際に安倍氏本人から反応はなかった」と発言し、安倍首相の嘘が明らかとなったばかりだ。
災害を選挙戦に利用し、国民に堂々と嘘をつき、詭弁を弄して責任逃れに必死になり、見せかけの動員で圧倒的な支持を得ているのだと虚栄心を満たす──。こんな人物が、まだ総理大臣をつづけたいと言う。総裁選で安倍首相が曝け出したこの厚顔無恥な実態を、国民はしかと目に焼き付けておかなくてはならない。(編集部)