辺野古埋め立て承認:知事選の告示前に撤回へ 沖縄県、早ければ31日にも - 沖縄タイムス(2018年8月29日)

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名護市辺野古の新基地建設を巡り、県が知事選告示日の9月13日までに埋め立て承認を撤回する検討に入ったことが28日、分かった。早ければ31日にも撤回に踏み切る。公有水面埋立法に基づく埋め立て承認が撤回されれば沖縄防衛局は新基地建設の法的根拠を失い、工事が停止する。一方、撤回の執行停止を裁判所に求めるなど国が対抗措置を取ることが予想され、工事の停止は一定期間にとどまる可能性がある。
複数の関係者が明らかにした。早ければ31日だが、9月3日の案もある。8月28日には県の弁護団が県庁の三役室を訪れたことが確認されており、撤回に向けた協議をしたとみられる。
県幹部は、行政手続きの一つとして知事選の日程に関わらず準備が整えば撤回すると強調していた。知事選前の撤回が選挙戦に影響するのは必至だ。29日に翁長雄志前知事の後継として知事選出馬を表明する玉城デニー氏と県側が時期を協議し、撤回の日程が変動する可能性もある。
8日に死去した翁長氏は生前、防衛局が県に通知していた17日の埋め立て土砂投入の前に承認を撤回する考えだった。死去を受け知事の職務代理者となった富川盛武副知事は、撤回の権限をこれまで辺野古問題を担当してきた謝花喜一郎副知事に委任している。
国は天候などを理由に17日の埋め立て土砂の投入を見送り、県の撤回もずれ込んでいた。県は9日に防衛局の意見や反論を聞く聴聞を実施し、21日に報告書が完成。約1週間で報告書の内容を精査した。行政手続きが整ったことから、生前に撤回方針を表明していた翁長氏の遺志を継ぎ、撤回に踏み切る。
県は撤回の理由として、大浦湾側の軟弱地盤で護岸を建設した場合に倒壊の危険性があり活断層の存在も指摘されていることや、新基地完成後に周辺の建物の高さが米国の基準に抵触することなどを指摘。
公有水面埋立法で定める承認の要件である「国土利用上適正かつ合理的」「災害防止、環境保全に十分配慮する」との項目を満たしていないとしている。