(政界地獄耳)ばくちと災害対策を同時に議論とは - 日刊スポーツ(2018年7月21日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807210000263.html
http://archive.today/2018.07.21-012553/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807210000263.html

★結局与党は今まで許されなかったばくちを中身はこれからだがやらせて欲しいと、国民の反対を押し切って進めたということになる。16年12月13日の参院内閣委員会で自由党共同代表・山本太郎は「私たちを食べさせてくれてるのは、国を回せているのは税金ですよ。誰の声を聴いて政治をやるんですか。国民の中にカジノ・賭場を開いてくれって声、どれぐらいありました?」と問うても政府から明確な回答はない。国交相石井啓一の答弁はそっけなく「私としては山本議員の要請に、真摯(しんし)に対応してきた」と繰り返した。
★「誰の声を聴いて政治をやるのか」に応えられない閣僚を初めて見た。ましてギャンブル依存症への懸念も大きい。山本は続ける。反対派の医師は「推進派はギャンブル依存症が本人の人生ばかりか家庭をも破壊してしまうほど深刻な病であることを理解していない。そもそも医療で最も重要な課題の1つとなっているのは病気を予防することである。人々が病気にならない政策を実行するのが国をはじめとする行政機関のすべきことであり、我々専門家の仕事である。この法案に賛成する皆さんにお聞きしたい。依存症を作り出さない最大の予防策とは何でしょうか」と問い、「何の必要性があって今国会でカジノを通す必要があるんだ。国会の要請ではなく官邸の命令じゃないか」と指摘した。
★19日にも山本は同委員会でカジノ法と災害対策でもそっけない対応をする石井にいら立ちを見せた。党の手柄や内閣の手柄を優先し打ち出したい石井の薄っぺらな対応に対して山本の怒りは「本気を出して欲しい」。ばくちと災害対策を同時に議論し、両方に応える石井の答弁は議会史に残る“滑稽な様子”と記しておきたい。(K)※敬称略