<「働き方」どう変わる>(3)同一労働同一賃金 非正規の待遇改善図る - 東京新聞(2018年7月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018071002000127.html
https://megalodon.jp/2018-0710-0858-11/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018071002000127.html


同一労働同一賃金」は正社員と非正規社員との不合理な待遇差を解消し、非正規の待遇改善を図る考え方だ。非正規社員とは有期契約やパート、アルバイトを指す。条文に「同一労働同一賃金」の文言はなく、パートタイム労働法や労働者派遣法に正規と非正規の間に不合理な待遇の格差を禁止することを定めた。
非正規で働く人は二千万人を超え、労働者全体の約四割を占める。欧州に比べて低い処遇を受けてきた非正規の待遇を着実に改善することが求められる。正社員との待遇差の解消には、「均等待遇」と「均衡待遇」の二つの方法がある。
均等待遇は、仕事の内容や配置変更の範囲が同じであれば給与や賞与で同等の取り扱いをしなければならないという規定。例えば、ある職場でパートタイムで働く人が正社員と同じ仕事を行い、異動の範囲も同じであれば、給与で差別することを禁じる。
均衡待遇では、正社員と非正規社員の間で仕事の内容に違いがある場合、一定の格差を認める一方で、その格差が不合理と認められない程度にすることを定めた。この場合、基本給や賞与、各種手当のそれぞれに関し、不合理かどうかを判断すべきだと明確にした。労働者が待遇差について説明を求めた場合、企業に説明する義務も盛り込んだ。
派遣労働者に関しては、派遣先企業で同様の仕事をする人と均等待遇か均衡待遇を行うよう定めた。ただ、派遣元企業で労使が協定を結べば、派遣先企業と関係なく待遇を決められる「労使協定方式」も採用した。派遣元企業が労使協定方式を採れば、派遣先企業の正社員との待遇格差を縮める必要がなくなり、派遣社員の待遇改善につながらない恐れがある。