仏映画監督C・ランズマン氏死去、92歳 ボーボワールの恋人 - AFP=時事(2018年7月5日)

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【AFP=時事】(更新)フランスの映画監督で作家のクロード・ランズマンClaude Lanzmann)氏が、首都パリで5日死去した。92歳。出版社広報が明らかにした。ランズマン氏は、フランスを代表するフェミニストシモーヌ・ド・ボーボワールSimone de Beauvoir)の恋人だったことでも知られる。
ランズマン監督の代表作には、ナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)を題材とし、上映時間が9時間を上回るドキュメンタリー映画『ショア(Shoah)』がある。
出版社ガリマール(Gallimard)の広報担当者はAFPに対し、「ランズマン氏は自宅で亡くなった。ここ数日、衰弱しきっていた」と明かした。
今週フランス国内で公開されたばかりで遺作となった『四姉妹(原題、The Four Sisters)』の広報担当者も、ランズマン氏の死を認めた。
ランズマン氏は生涯現役を貫き、主に自らの実体験に着想を得た映画を定期的に発表してきた。
1925年11月27日、パリ郊外ボワコロンブ(Bois-Colombes)でユダヤ人の両親の元に生まれたランズマン氏は、第2次世界大戦(World War II)後に大きな影響力を持った知識階級に身を置き、実存主義を提唱した哲学者ジャンポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)の秘書を務めた。
26歳の時に、サルトルのパートナーで当時44歳だったボーボワールと出会い、2人は程なく交際を開始。サルトルボーボワールがオープンにしていた交際相手の一人となった。
サルトルボーボワールが革新的な評論を寄稿した月刊誌「現代(レ・タン・モデルヌ、Les Temps Modernes)」の編集にも携わったランズマン氏は、3人の関係はいわゆる三人婚ではなかったと振り返っている。
ボーボワールが生活を共にした唯一の男性であるランズマン氏は昨年、ボーボワールが自身に宛てた多数の書簡を米エール大学(Yale University)に売却。その際、「われわれは3人組ではなかった。私とサルトルとの関係性は別にあった」と語っていた。【翻訳編集】 AFPBB News