「最後の砦」の会計検査院、森友学園公文書改ざんの隠蔽どころか財務省・国交省らとグルだった疑い - BUZZAP!(2018年5月29日)

https://buzzap.jp/news/20180529-board-of-audit-collaspe2/

気付かなかったどころの話ではありません。詳細は以下から。

森友学園の国有地大幅値下げ問題で、財務省国土交通省の幹部が2017年9月に会計検査院の「検査報告」に関し、報告書の原案を財務省が入手していた疑いが浮上しました。

財務省国交省会計検査院への「介入」疑惑
この話は共産党が5月28日の衆参両院の予算委員会で明らかにしたもので、財務省の太田充理財局長と国土交通省の蝦名邦晴航空局長らが森友学園への国有地売却に関する会計検査院の「検査報告」への対応などを協議したことを示す文書を入手したとしています。

共産党小池晃書記局長によると太田理財局長は面会でごみ撤去に関して「総額を消すことが重要だが、それが難しい場合には失点を最小限にすることも考えなくてはいけない。少なくともトン数は消せないのではないか」と発言。

さらに蝦名航空局長から決裁文書などの提出範囲を問われると「政権との関係でデメリットも考えながら対応する必要がある」と応じています。

共産党の宮本衆院議員は、会計検査院が2017年11月に本件の「検査報告」を公表する前に、財務省は原案を入手していたのではないかと追及。太田理財局長は「情報交換」を行ったことのみ認めました。

しかし会計検査院の「検査報告」の原案を見ていたかという質問に対しては以下のようにのらりくらりと逃げを打ちます。

お答え申し上げます。会計検査院とはいろんなことを御指摘をいただいてということですが、今おっしゃられるのはその時に報告書の案が云々という話について、私に通告もなく今そのようなことをお尋ねをいただいても何も今私がお答えのいたしようがございません。申し訳ありません。

実際には、この「情報交換」から2ヶ月後に公表された会計検査院の「検査報告」には国が見積もったごみの量は過大だった可能性は示しながら、検査過程でごみ撤去費用の値引き額は最大約六億円過大と試算したものの金額は盛り込まれませんでした。

実のところ、既にこの答弁の時点で太田理財局長も会計検査院も完全に詰んでいます。

◆「最後の砦」会計検査院は完全な独立機関…のはず
どういうことかというと、会計検査院日本国憲法第90条によって権限が定められ、会計検査院法第1条により、「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する」とされています。

また公式サイトにも「国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する職責」を持つ機関とあります。

つまり、太田理財局長は質問の通告があろうとなかろうと完全に独立した機関である会計検査院の文書を事前にチェックすることも絶対にできませんし、「検査報告」の原案に対して介入することも絶対にできません。

ですから、この場合は即座に「ありません」と断言する以外の答えは絶対にあり得ず、「何も今私がお答えのいたしようがございません」などと否定もなしで保留する事そのものが異常事態なのです。

そうした答弁が行われた以上、太田理財局長は断定的に虚偽答弁を行う事を避けようとしたと受け取る以外ありませんし、そうなれば会計検査院の三権から独立するという憲法上の存在意義が瓦解しますし、その独立性を脅かそうとした太田理財局長は重大な違憲行為を行っていることになります。

ですが、会計検査院は既に森友学園問題に関する財務省の決裁文書の改ざんを巡って「2種類の文書が存在することには検査中から気付いていた」と明らかにしています。

つまり、この検査を行っていた2017年の段階でこの改ざんを認識していながらこれまで隠蔽してきたことになり、「最後の砦」は既に陥落していることはBUZZAP!でもお伝えしたとおり。

この際の記事でも、会計検査院が進んで自らの存在意義を土足で踏みつけてドブに投げ込み小便を掛けるような隠蔽行為を行う事は考えられず、どこかから何らかの極めて強い圧力が掛かったからこそこのような最悪の事態が発生したはずだと指摘しました。

そして実際に財務省の太田充理財局長と国土交通省の蝦名邦晴航空局長らが「情報交換」を行い、その際の「政府の失点を最小限に抑える」という発言に沿った方向性で会計検査院の「検査報告」に試算の金額が盛り込まれていなかったという事実が明るみに出たわけです。

憲法でその独立性を担保された会計検査院もグルだったとなれば、国民が信じられる機関がどこにもなくなってしまいますが、これを国難と呼ばずして何が国難なのでしょうか?