政治学者・白井聡が語る〈安倍政権の支持率が下がらない理由とその背景〉 (1/3) - AERA dot. (2018年5月18日)

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戦後国体はGHQ天皇制を利用することで形作られた、つまりは天皇と米国が一体化したような国体が生まれたわけですが、ついに日本の保守派にとって、天皇制の頂点を占めるものは明白に米国になったということです。
だとすると、東京に居る天皇は何なのだということになる。存在意義がなくなってしまう。そうした文脈から昭恵夫人の言動を見ると、興味深いですよ。
昭恵さんの「私は天皇陛下からホームレスまで誰とでも話しができる」という発言を知って、私は驚愕したわけです。これって、「私は日本国民の一番上から一番下までつながれる、上から下までみんな私を通してつながる」という話で、それはつまり「私は国民の統合をつくり出せる」と言っているわけです。首相が天皇(米国)の代官をやっているうちに、首相夫人は自分が皇后陛下だみたいな気分になってきたようですね。

国体論 菊と星条旗

集英社新書

政治学者・白井聡が語る〈日本を再び破滅に導く「戦後国体」の正体〉 (1/3) - AERA dot. (2018年5月18日) https://dot.asahi.com/dot/2018051700087.html

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──私たちが知らない間に刷り込まれている「戦後国体」から脱却するためには、どうすればいいのでしょうか。

これは難しい問題です。一つ言えることは、「結局は個人の質にかかっている」ということです。森友・加計問題では、特定のメディアが追及を続けています。これは、組織で動いているというよりも、一人一人の記者が頑張っている。官僚からのリークもあると推察しますが、そうした行動は、「これではダメだ」という個人の信念に基づくものでしょう。伊藤詩織さんのように、レイプ事件を安倍政権によってもみ消されたという疑惑を、あらゆる嫌がらせに遭いながら訴え続けている人もいる。
魔法の薬はないのです。今日の社会の歪みを修正できるかどうかは、こうした筋を通すことのできる個人がどれくらいいるかにかかっているでしょう。