(政界地獄耳)独裁主義の国に住みたいか - 日刊スポーツ(2018年5月14日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805140000337.html
http://archive.today/2018.05.14-012151/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805140000337.html

★先月30日。連休のさなかに放送されたNHK討論番組「解説スタジアム」で、同解説委員・岩田明子は「フィリピンのドゥテルテ大統領はかなり強権的なイメージで誕生したが、やっていることは国内の深刻な麻薬対策ですね。この被害者の救出。それから中国とうまく交渉して資金を引っ張り、日本から資金を引っ張り、それでいて中国の船は追っ払い、かなり国益をもたらしているという。独裁者のレッテルを貼られているが、成功した例とも言えるのではないか」と発言した。
★最近のドゥテルテ政権といえば、メディアへの圧力を強め、政権に批判的なネットメディア「ラップラー」の企業認可が取り消されるなど、まさに独裁的だ。ドゥテルテは就任後の施政方針演説で「麻薬王や資金源、密売人の最後の1人が自首するか、あるいは投獄されるまでやめない。彼らが望むならあの世に葬り去ってもよい」と公言し、超法規的に麻薬犯罪に関わる容疑者を裁判にかけず、現場で射殺することを容認。大統領就任後わずか1カ月余りで、1800件余りの“私刑”が行われた。
★岩田はそれを成功例とし、独裁はレッテル貼りだとした。番組では別の解説委員が「その国に住みたいと思いますか。うちの指導者は強権的ですごく国民を守ってくれるから、その国民になりたいって、お考えになりますか」といさめたが、岩田の持論は展開された。
★10年、民主党政権時に内閣府特命相・玄葉光一郎は、キッコーマン会長・茂木友三郎(当時)と雑誌で対談し、茂木の「リーダーになる人は賢人でなければならない」という条件付きながら「ビナイン・ディクテーターシップ(やさしい専制主義)がいい」との発言に同調。「非常に賢くて権力を抑制的に使う人が、独裁体制でリーダーになったら一番いいですよ。最高に効率よく国が発展する。それは間違いないですね」(10年「味の手帖6月号」から一部抜粋)と発言している。
★政治家は選挙から次の選挙まで、国民から白紙委任を受けた気になりがちだ。それなら独裁主義も、公約に堂々と掲げればいい。そんな国には住みたくない。(K)※敬称略

関連サイト)
NHK岩田明子、櫻井よしこら安倍応援団が「良い独裁もある」と大合唱!トンデモ論で安倍独裁政治を正当化 - LITERA(2018年5月10日)
http://lite-ra.com/2018/05/post-4003.html

http://lite-ra.com/2018/05/post-4003_3.html
安倍応援団が一斉に語り始めた「良い独裁がある」論、官邸も発信?
「民主主義国家は、国民の考え方や選択によって決まります。それが民主主義の素晴らしさであると同時に、民主主義の怖さでもある。国民が愚かであれば国は亡び、国民が賢ければ国家が守られる。モリカケ騒動からいまだに脱しきれない日本の行く末が心配でなりません」
公文書改ざんは民主主義を根幹から揺るがす大問題という認識さえもち合わせず、“モリカケで騒ぐ国民は愚か”と言い放つ。……たしかに櫻井氏のような国民ばかりだとこの国が亡ぶことは間違いないだろう。
とまあ、こんな具合に、“物事を素早く決められる人物こそが真のリーダー”というこの国の悪い思考を煽るかたちで独裁を肯定し、「一流の政治家は安倍首相以外にいません」(田久保)と強調するのである。
それにしても、立てつづけに安倍応援団から飛び出した「独裁」肯定&待望論。岩田氏が「WiLL」を読んで「その手があったか!」と膝を叩き、NHKという公共放送でこのトンデモ論をアレンジした……という地獄のような“反知性の再生産”がおこなわれた線も考えられなくもないが、もっと可能性が高いのは、この「独裁」肯定論が「官邸主導」でおこなわれたのではないか?という疑いだ。
事実、森友・加計疑惑が顕著な例だが、「辻元清美に3つの疑惑がある」なる明白なデマや、加計では「挙証責任は文科省にある」といった責任転嫁の言説、さらには「モリカケ朝日新聞の陰謀」なる陰謀論まで、まるで示し合わせたかのように同じ主張が安倍応援団ジャーナリストならびに御用メディアから相次いで飛び出すということが起こった。
こうした主張は、じつは官邸から流されていたと見られており、実際、森友文書に記された「本件の特殊性」という文言をめぐって流布した「特殊性とは同和のこと」というデマにかんしては、今井尚哉首相秘書官が記者たちに「〈特殊性〉は人権問題に配慮して」と情報を発信していたことが報じられている。つまり、今回の「独裁」肯定&待望論も、官邸が安倍応援団ジャーナリストにレクチャーし、流させている。そういう可能性が考えられるのだ。
しかし、もしそうであったとすれば、「良い独裁もある」「民主主義より独裁」などというあり得ない情報を流させるしかないほど、安倍官邸は相当に追い詰められているとも言えるだろう。そして、そのうち田崎史郎氏あたりがワイドショーで独裁を肯定しはじめるかもしれないが、ぜひ視聴者には壮大にドン引きしていただき、安倍政権のヤバさを広めてもらいたいと願うばかりである。(編集部)

「独裁」容認、「貧乏人は麦を食え」/菅内閣3人組の危ない思想 - しんぶん赤旗(2010年7月27日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-27/2010072702_02_1.html
https://megalodon.jp/2015-0920-2100-54/www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-27/2010072702_02_1.html

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公務員制度改革担当で入閣した玄葉氏も「独裁」という言葉に抵抗感が薄いようです。茂木友三郎キッコーマン会長(21世紀臨調共同代表)との誌上対談で次のようなやりとりをしています。

茂木 政治形態でいちばんいいのは『ビナイン・ディクテーターシップ(優しい専制主義)』だという言う人が多かった…。

玄葉 まったくおっしゃる通りで、私もそう思います。非常に賢くて、権力を抑制的に使う人が、独裁体制のもとでリーダーになったら、いちばんいいですよ」(『味の手帖』6月号)

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