(政界地獄耳)自民にこそセクハラパワハラ講習必要 - 日刊スポーツ(2018年5月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805120000274.html
http://archive.today/2018.05.12-005105/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805120000274.html

★10日、自民党清和会(首相・安倍晋三の出身派閥・細田派)の会合で、長崎2区、当選3回の衆院議員・加藤寛治があいさつし「私は結婚式では3人以上の子どもを産んでほしいという話をすることにしている。世の中には努力しても子どもに恵まれない方もおられる。そういう方に無理を言うのは酷だが、そういう方々のために3人以上が必要なんですよ、と。これがいうなれば世のため人のためになる」(会場から「そうだ」の声)。
★続けて「結婚しなければ子どもは生まれないわけですから、ひと様の子どもの税金で老人ホームに行くことになりますよ」と諭していると話した。パワハラやセクハラでピリピリしているのは決して言葉狩りをしているのではない。正しいと信じて疑わず、政治家の立場として今まで同様のあいさつをしてみんなに喜ばれていると思っていることが、まったく違う聞こえ方になっているということを理解しない人に価値観の変化を求めているのだ。
★発言を問われると加藤は「少子化対策は一番の、我が国にとっては大事な問題。ただ、それだけです」と答えた。正直な気持ちだろう。その後、党が火消しに動く。同日夕、「誤解を与えたことに対しおわびします。決して女性を蔑視している訳ではありませんが、そのようにとられてしまうような発言でありましたので撤回します」とした。そこで問われるのは加藤が事の本質を理解したか、セクハラ・パワハラが政局の焦点の1つになっていながら、こんな話をして、清和会では「そうだ」の合いの手も入ったことを考えれば、党内は相変わらず、同派の元文科相下村博文財務省事務次官福田淳一からセクハラ被害を受けたテレビ朝日記者の行為を「端(はな)から週刊誌に提供する意図で隠し録音をしていたのではないかという疑念が生じた」との発言と同根だ。無論、自民党全体がこの下村発言や一連の副総理兼財務相麻生太郎の「セクハラという罪はない」発言を批判していないので、女性議員を含めすべて同根と言っていい。セクハラ・パワハラ講習が自民党にも必要だ。(K)※敬称略