前川前次官 岐阜市で講演 文科省の対応、厳しく批判 - 毎日新聞(2018年5月9日)

https://mainichi.jp/articles/20180510/k00/00m/040/028000c
http://archive.today/2018.05.10-001311/https://mainichi.jp/articles/20180510/k00/00m/040/028000c

前川喜平・前文部科学事務次官が9日、岐阜市で講演した。自身が名古屋市の市立中学校で行った授業内容を、文科省が同市教育委員会に報告するよう求めた問題について「個別の学校、授業であそこまで威圧的な質問状を送りつけるのは(教育現場の自主性への)不当な支配と疑われても仕方がない。やってはいけないことだ」と文科省の対応を厳しく批判した。
岐阜県市町村教育委員会連合会の定期総会に招かれた前川氏は「地方教育行政への期待と課題」と題し、県内の教育関係者約100人を前に記念講演した。前川氏は、文科省からの授業の音声や画像の提出要請を拒むなどした市教委の対応を「立派だった」と評価。一方で一連の文科省の動きについて、「やりすぎだ。文科省が自らやったとは到底思えず、一部政治家の圧力によるものだろう」と指摘した。
その上で、前川氏は政治と教育の関係について言及。「政治家が教育に関心を持つのは大事だが、個別の教育現場に土足で介入することはあってはならない。それに対して教育委員会が抵抗しなければいけない」と語った。【岡正勝】