韓国と北朝鮮 国際法上、まだ戦争状態 平和協定は完全非核化前提 - 東京新聞(2018年4月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201804/CK2018042802000136.html
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韓国と北朝鮮は一九五〇年に勃発した朝鮮戦争で戦火を交え、五三年の休戦協定で停戦しました。国際法上は今も戦争状態が続いています。

Q 朝鮮戦争とは。

A 四五年に日本の植民地支配から解放された朝鮮半島は、資本主義の韓国と社会主義北朝鮮に分断されました。北朝鮮が武力統一を目指し韓国に攻め込み、戦争が勃発。米軍主体の国連軍が韓国を支援し、中国人民義勇軍北朝鮮に加勢しました。五三年に休戦協定が結ばれ、南北分断が固定化されました。

Q 休戦協定はどのように結ばれたのか。

A 国連軍と北朝鮮、中国の三者が締結しました。韓国は休戦に反対して調印しませんでした。五四年にジュネーブでの国際会議で平和体制樹立が話し合われましたが決裂。北朝鮮は休戦協定の平和協定への転換を米国に求めてきました。

Q 南北のその後の歩みは。

A 冷戦下で体制競争を繰り広げ、時に局地的な軍事衝突が起きた一方、緊張緩和や統一に向けて対話も行ってきました。二〇〇〇年に韓国の金大中(キムデジュン)大統領と北朝鮮金正日(キムジョンイル)総書記が初の南北首脳会談を行い、統一の自主的解決や経済協力などで合意。〇七年には韓国の盧武鉉ノムヒョン)大統領と金正日氏が首脳会談し、合意事項には終戦宣言を推進するため協力することも盛り込まれました。

Q 平和協定締結の見通しは。

A 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は今回署名した「板門店宣言」で、今年中に終戦を宣言することで一致しました。休戦協定を平和協定に転換し、休戦協定の当事国である米国を加えた三者、もしくは中国も入った四者による会談を積極的に推進するとしています。締結には米国が求める北朝鮮の完全な非核化が前提となります。平和協定締結は在韓米軍の縮小や北東アジアの軍事バランスにも影響し得るだけに、米国は慎重に検討するとみられます。 (共同)