「完全な非核化」明記 南北首脳が板門店宣言 - 東京新聞(2018年4月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201804/CK2018042802000144.html
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【ソウル=上野実輝彦】韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は二十七日、南北軍事境界線のある板門店(パンムンジョム)の韓国側施設「平和の家」で会談し、「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する」ことなどを明記した「板門店宣言」に署名した。朝鮮戦争終戦を年内に宣言することで合意。文氏が今秋に平壌ピョンヤン)を訪問することや南北の職員が常駐する連絡事務所の北朝鮮・開城(ケソン)への設置でも一致した。ただ国際社会が注目する北朝鮮の非核化へ向けた具体的な道筋には言及しなかった。
宣言では北朝鮮の核凍結措置について、「非核化に向けて有意義で重大な措置」との認識で一致。「国際社会の支持と協力を得るため積極的に努力していく」とした。
また「休戦状態の終息と平和体制の樹立は先送りできない歴史的課題」として、終戦宣言のほか、米韓朝三カ国や米韓中朝の四カ国の首脳会談を積極的に推進するとした。
軍事的緊張の緩和に向け、敵対行為の相互中止にも合意。五月一日以降、軍事境界線付近での拡声器による宣伝放送や体制批判ビラの散布を中止し、軍事当局者会談を頻繁に開くことを決めた。
さらに今後、「民族の和解と団結のため、多面的な交流を活発化する」ことも確認。南北離散家族の再会事業を推進するほか、南北を結ぶ鉄道の連結事業再開に向け対策をとっていくことで合意。首脳会談の定例化でも一致した。
会談後の共同記者発表で、文氏は「完全な非核化が共同の目標だと確認した。南北はさらに緊密に協力する」と説明。終戦宣言と平和協定を通じて朝鮮半島の平和体制を構築していくことが、「国際秩序を根本的に変える重要な合意だ」と会談の成果を強調した。
一方、正恩氏は「われわれ二人が膝をつき合わせ、意思疎通して協力することで、良い結果が生まれるよう努力していく」と述べたが、非核化や終戦宣言には触れなかった。
日本人の拉致問題板門店宣言や共同発表では触れていない。