(政界地獄耳)「国民の声」に耳を傾けることも政府の責任 - 日刊スポーツ(2018年4月17日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804170000177.html
http://archive.today/2018.04.17-002812/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804170000177.html

二重国籍問題と言えば元民進党代表・立憲民主党参院国対委員長蓮舫が思い出されるが、同時期、自民党にも参院議員・小野田紀美がいた。小野田は蓮舫が戸籍公開を拒んでいると「国籍法に違反していないことを証明できるのは、国籍の選択日が記載されている戸籍謄本のみです。ルーツや差別の話なんか誰もしていない」「公人にプライバシーはない。それを主張するなら公人を辞めればよい」と指摘。蓮舫を追い込んだ過去がある。
★その小野田が国会前で首相・安倍晋三に退陣を迫る集会に3万人が集結した14日、「本当に素朴な疑問なのですが…土日は議員みんな地元とかに帰っていて国会議事堂には誰もいないわけで。すごいシュールというかなんというか…何がしたいんだろう」とツイッターに書き込んだ。首相・安倍晋三は自らに批判的な人たちを「あんな人たち」と評して批判を浴びたが、小野田の思考もそれと同様なのだろうか。
★ネットには「デモについて『誰もいない国会議事堂の前で何がしたいのか?』とツイートしている自民党議員。では誰もいない国会議事堂を守るために多くの警察官の皆様を駆り出して配置し道路や地下鉄出口までも封鎖して道路を守らせる自民党は何をしたいんだろう」と指摘された。国民が時の政治に批判することを「何がしたいのか」と問う素朴さは、民主国家が経て来た近代史を知らないからだろうか。
★フランスはデモとストライキの国といわれる。国民が声をあげることは当然。それに耳を傾けることも政府の責任。フランス革命の国の自負だろう。日本のデモは行儀いいが、デモもストライキも相手に迷惑をかけることで注目を集めると考えられている。14年、当時の自民党政調会長高市早苗は国会をデモが取り巻く状況に「仕事にならない状況がある。仕事ができる環境を確保しなければいけない。批判を恐れず議論を進める」と国会周辺のデモ規制の法制化を検討するとした。こんな寝ぼけたことを言い続けた政権もまもなく終わろうとしている。(K)※敬称略