(政界地獄耳)霞が関がいかに国民をなめているか - 日刊スポーツ(2018年4月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804120000157.html
http://archive.today/2018.04.12-010600/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804120000157.html

★11日、衆院予算委員会の集中審議は森友、加計、イラク日報隠蔽(いんぺい)問題など、安倍内閣の正当性が問われる天王山といわれた。午前中に質問に立った自民党柴山昌彦が、文書に「首相案件」と記載されたことについて首相・安倍晋三に聞いた。安倍は「愛媛県が作成した文書については、コメントを差し控えたい」としたが、午後の立憲民主党枝野幸男には「私が意図していないこと、私的なことについて、私の秘書官が首相の意向を振り回すということはあり得ない」とし、「私は元上司として信頼している」と擁護した。
立憲民主党川内博史の質問。決裁文書に当時理財局国有財産課長・現理財局総務課長・中村稔の電子決済があるが、首相の昭恵夫人に関する記述を認識していなかったはずがないとただした。同局理財局長・太田充は「決裁印を押印した責任はあるが、ちゃんと読んでいない」という新たな言い訳を生み出した。前国税庁長官の答弁もひどかったが、中村のとぼけた言い訳を代弁する太田も、すでに当事者能力に欠ける。
★この程度の説明で野党のみならず、国民が納得すると思っているのならば、霞が関の中央官庁がいかに国民をなめているかが容易に想像できるが、その采配は官邸のものだろうか。共産党国対委員長穀田恵二は「全て(の道は)ローマに通ずではないが、安倍晋三首相に通じる。安倍政権がある限り、この事態は解決しない」と会見で言い放った。一方、自民・公明両党は、加計問題で野党が求める経産省経済産業審議官で元首相秘書官・柳瀬唯夫の国会招致について、「必要に応じて是非を判断する方針を確認した」という。前国税庁長官・佐川宣寿に次ぐトカゲのしっぽが生まれるようだ。(K)※敬称略