改正迷惑防止条例が成立 都議会 市民活動萎縮の恐れも - 東京新聞(2018年3月30日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018033002000150.html
https://megalodon.jp/2018-0330-0904-48/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018033002000150.html

東京都議会は二十九日、本会議を開き、つきまとい行為や盗撮の規制を強化する都迷惑防止条例改正案を、共産などを除く賛成多数で可決した。施行は七月一日。恨みやねたみなど悪意の感情に基づくつきまといの禁止行為を四種類から七種類に拡大する。罰則は一年以下の懲役か百万円以下の罰金に強化する。
追加された規定は、監視を告げることや、名誉を害する事項を告げることなど。電話とファクスだけでなく、メールなども加えた。警視庁は、スマートフォンの普及などで場所や時間の制約なしにつきまといが発生していることを改正理由に挙げた。
条例に対し、弁護士らでつくる自由人権協会は、恋愛感情による嫌がらせ行為を取り締まるストーカー規制法と異なり、悪意の感情は定義が曖昧なため、「乱用の危険が大きい」と指摘。市民活動や報道を萎縮させる恐れがあるとして、反対声明を出している。
懸念について、都は条例で既に「都民の権利を不当に侵害しない」「乱用があってはならない」などの乱用防止規定があると説明。十九日の委員会で、警視庁幹部は「労働運動、市民活動、取材活動は正当な権利行使に基づくもので対象外」と明言した。
採決では都民ファーストの会と公明などが賛成。共産や無所属議員が反対した。民進・立憲民主は四人が賛成、一人が反対した。
二〇一八年度一般会計当初予算案も、自民、共産などを除く賛成多数で可決した。自民が当初予算案に反対するのは四十一年ぶり。一七年度予算は四十四年ぶりに全会一致で可決していた。