(政界地獄耳)自民ビクビク佐川氏爆弾発言 - 日刊スポーツ(2018年3月21日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803210000194.html
http://archive.today/2018.03.21-013946/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803210000194.html

★野党が要求していた前国税庁長官・佐川宣寿の証人喚問は27日に衆参両院の予算委員会で行う見通しとなったが、19日に確定できなかった背景には(1)予算が成立する4月を待って実施したい(2)25日の自民党大会から少し間を置きたかった(3)佐川が喚問で心変わりし証言をするのではないかとの危惧などが挙げられる。自民党関係者が言う。「佐川は『証人喚問まではやらせないから』と言い含められて辞表を出したのではないか。『それでは話が違う』と疑心暗鬼になっているのではないか。誰も守ってくれないのならば自分のことは自分で守らないと」と状況の変化があるのではないかと指摘する。
自民党参院での質問を聞いていると、自民党財務省公文書改ざん事件とみているが、野党の攻勢で世論は森友学園安倍夫妻関与事件とみている。ところが世論調査ではこの財務省主犯説の流れを作ろうとする動きに国民は反発を見せる。それが安倍内閣の支持率の著しい低下につながるものの、野党の支持率は全く上昇していない。朝日新聞のスクープ以来、地道に調べ上げた野党の努力は無視できないが、野党共闘で突出した材料を突き付けた野党もなかった。国民は自民党の総裁・首相のすげ替えを希望していることがわかる。自民党の中で早く次を決めてほしいという声だろう。
自民党は早くその世論をつかまなくてはならない。野党も手柄争いではなく、第三者委員会設置や内閣人事局の改正法案を出すなど、安倍攻撃だけでは持たないことに注力すべきだ。政界では証人喚問では「何も出てこない」とセレモニーとみる向きが大勢だが、佐川や財務省という組織が今後をどう見据えるかで結果は変わってくるだろうし、政権の命運も決まる。証人喚問までの世論をどうつかむかも政治の大きなテーマだ。(K)※敬称略