(政界地獄耳)改憲に進めない首相の居場所もなくなりそう - 日刊スポーツ(2018年3月15日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803150000187.html
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森友学園前理事長・籠池泰典が首相・安倍晋三を侮辱したから証人喚問すると決めたのは、当時の自民党国対委員長で総務会長の竹下亘。喚問決定までずいぶん時間をかけていたが、今回は打って変わって、党3役の立場として、国対委員長時代とは別の対応に転じた格好だ。「菅義偉官房長官に『徹底的に真相を究明しなさい、という本当に強い話が出た』と報告する」とし、「行政への信頼が根底から揺らぐという危機感を持った。国会にうそをついたということだから、国会もすごく厳しく対応しなきゃならん」。今回は前国税庁長官・佐川宣寿の国会招致にまっしぐらに向かっていく印象で、籠池喚問時からの変貌ぶりが際立つ。
★また党憲法改正推進本部長・細田博之から「条文案まで決めるのは難しいが、大きな方向性を総務会でもんでほしい」と要請されたことを明かし、党大会で示すのは「方向性」にとどまるとの見通しを示した。党の推進本部は、25日の党大会までに自衛隊明記など4項目の条文案を策定する方針だったが、党内議論は低調で細田も集約するまでに至らなかった。党としての草案策定を党大会で了承して9月の総裁選に臨む首相の戦略は、大幅な変更を余儀なくされる。
自民党日本会議系議員が言う。「森友文書改ざん問題では、首相や財務相には頑張ってもらいたいが、日本会議系の議員の名前ばかりが出てきて心配だ」という。また政界関係者は党内の声として「ここまで来た憲法改正の議論が、首相夫妻の不始末でつぶされるのは残念でならない。改憲のために頑張ってきたし、いろいろ目をつぶってきたものもある。党内集約ができなかったことや低調な議論だったことも言われるが、改憲ができないのなら、もう安倍さんが首相でなくてもいいのではないか」との指摘もあるという。森友疑惑もさることながら、改憲に進めない首相の居場所もなくなりそうだ。(K)※敬称略