官房機密費 文書、政府即時開示せず 最高裁判決後40日が経過 - 毎日新聞(2018年3月8日)

https://mainichi.jp/articles/20180308/ddm/004/040/035000c
http://archive.today/2018.03.07-220949/https://mainichi.jp/articles/20180308/ddm/004/040/035000c

市民団体が内閣官房報償費(官房機密費)の関連文書の開示を求めた訴訟で、最高裁が1月に一部文書の開示を認める判決を言い渡した後、政府は40日以上、原告の市民団体に文書を開示していない。情報公開訴訟確定後の文書開示期限は法律で定められていないが、専門家は「情報公開訴訟の判決確定は、情報公開請求に対する文書開示決定と同じ趣旨で、すみやかに開示すべきだ」と対応の遅い政府を批判している。
大阪市の市民団体「政治資金オンブズマン」は、官房機密費の使い道が分かる文書の開示を求めて提訴。最高裁は1月19日、官房長官が政策的判断で使う費用の残額などが書かれた「政策推進費受払簿」など3種の文書の一部開示を認め確定した。
原告代理人の谷真介弁護士によると、判決当日、官房機密費の事務を担当する内閣総務官室に対して即時開示を求めたが認められず、その後も開示に応じられていないという。原告の一人の上脇博之・神戸学院大教授は「政府にとって最高裁判決は予想と離れたものでなかったはずだし、量も多くなく、開示準備に時間がかかるとは思えない。すぐに開示すべきだ」と批判する。
内閣総務官室の会計担当者は「早く進めたいが、文書を見ることができる職員が1人しかいない(ので時間がかかる)」と取材に答えた。
情報公開に詳しい右崎正博・独協大名誉教授(憲法)は「確定後できるだけすみやかに開示に応じるのが情報公開法などの趣旨に沿った対応だ。せいぜい2週間程度が限度だ」と話す。【青島顕】