(政界地獄耳)与野党と国民欺き続けたツケが噴出 - 日刊スポーツ(2018年3月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803070000169.html
http://archive.today/2018.03.07-010508/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803070000169.html

★強引で厚顔な自民党の閣僚たちでも、野党が大騒ぎすることの意味を理解する者ならば、財務省の文書書き換え疑惑の重大性は認識される。楽観論の副総理兼財務相麻生太郎も6日の会見でこそ「仮定の質問にはお答えしかねる」としているが、5日の参院予算委員会では「事実であったとしたらゆゆしき事態」と危機感を募らせた。
★また自民党幹事長・二階俊博も「国会から要求された資料をどういう理由で出せないのか、ちょっと理解できない。改めて問いただしたい」と苦言を呈した。自民党議員は「二階さんの言う通りだ。野党の要求に応えたものではなく、衆院財金の委員長から提出を求めたもの。つまり国会の要請をほごにした。それも出さないというなら立法の秩序が崩れる」と不快感を示す。厚労省はデータを法案を通しやすくするために改ざんし、財務省は事態の特殊性や極めて例外的であることを薄めるために公文書を改ざん。もうこれは公文書ではなくメモだとか、公表できないので黒塗りの資料しか出せないなどの説明で逃げ切るではすまなくなってきた。
★ただ、いずれも政権の都合や政権を維持するために霞が関が忖度(そんたく)したものか、それとも権力からの要求に応えてきたものなのか。一連の改ざんや防衛省南スーダンのPKOでの日報を破棄したので不開示としながら保管されていた問題も含め、国会で与野党と国民を欺き続けてきたツケが噴出した状況だ。役所の文書がここまで隠されたり破棄したとうそをついて隠していたり、文書を改ざんするなどは誰のため、何のため行うのか。政権におもねるために国民を欺く政府があっていいということか。これからは誰もがまず役所に質問することになるだろう。「この書類は本物ですか」。(K)※敬称略