米軍F16 エンジン火災で湖にタンク投棄 青森 - NHK(2018年2月20日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180220/k10011335861000.html

20日午前、青森県三沢市アメリカ軍三沢基地に所属するF16戦闘機が、離陸後まもなく燃料タンクを切り離して基地に近い湖に投棄しました。エンジン火災が発生したため投棄したと見られ、防衛省は詳しい状況を確認しています。

防衛省によりますと、20日午前8時40分ごろ、青森県三沢市アメリカ軍三沢基地に所属するF16戦闘機1機が、離陸後まもなく、燃料タンク2つを切り離して投棄しました。
燃料タンクは基地のすぐ北にある小川原湖に落下し、これまでのところ、けが人の情報はないということです。

この機体でエンジン火災が発生したため燃料タンクを投棄したと見られ、F16戦闘機は離陸して3分後の午前8時42分に基地に戻ったということで、防衛省は詳しい状況を確認しています。

「大きな水しぶきが上がった」漁業者
小川原湖三沢基地の北側にあり、面積が63.2平方キロメートルと東北では2番目に大きい湖です。海水と淡水が入り交じる汽水湖で、この時期は、全国有数の漁獲高を誇るしじみ漁のほか、ワカサギやシラウオの漁が盛んに行われています。

小川原湖の漁業協同組合によりますと、タンクが落下したのは湖の南側と見られ、当時5隻から6隻の船がしじみ漁をしていましたが、けが人はいないということです。

漁をしていた漁業者は「飛行機の大きな音がしたあと100メートルほど離れたところに何かが落下して大きな水しぶきが上がった。怖くなって漁を切り上げた」と話していたということです。

しじみ漁をしていた52歳の漁業者の男性は「冗談じゃない」と怒りをあらわにし「15メートルぐらいの高さの水しぶきがあがった。何かが落ちたと思ったら、湖面にはっていた氷に穴が開いて、辺りにプラスチックのようなものが飛び散った」と話していました。
湖の周辺市道が通行止め
燃料タンク投棄を受けて、警察は有害物質が含まれているおそれもあるとして、湖の東側を通る市道のうち、「市民の森入口交差点」から「市民の森南側交差点」までのおよそ5キロの区間を通行止めにしました。
小野寺防衛相「部品のようなもの浮かんでいると報告」
小野寺防衛大臣は午前11時半前、防衛省で記者団に対し「東北防衛局三沢防衛事務所や航空自衛隊の目視によれば、小川原湖の湖面に油が浮いているとともに、タンクのものかどうかは未確認だが部品のようなものが浮かんでいると報告を受けている。回収、確認する中で、どの部品か調査したい」と述べました。

そのうえで「東北防衛局長からアメリカ空軍の三沢基地司令に対し、原因究明と再発防止、安全管理の徹底についてまもなく申し入れる予定だ」と述べました。
外務省が再発防止申し入れ
外務省は、20日午前、東京にあるアメリカ大使館に対し、原因究明などについて速やかな情報提供を行うとともに、再発防止の徹底を図るよう申し入れました。
F16 過去には墜落事故も
アメリカ軍三沢基地のF16戦闘機をめぐっては、6年前の平成24年7月に、アラスカに向かっていた1機が千島列島沖の太平洋で海上に墜落し、平成14年と13年には青森県沖の海上で墜落事故が起きています。