(高校指導要領改定案)近現代史の必修科目新設 「国を愛する」初明記 - 産経ニュース(2018年2月14日)

http://www.sankei.com/life/news/180214/lif1802140036-n1.html
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文部科学省は14日、平成34年度から実施される高校学習指導要領改定案を公表した。地理歴史科では近現代の社会変革に着目し世界と日本の関係を複眼的に捉える必修科目「歴史総合」を新設して歴史教育の転換を図るほか、教科目標に初めて「わが国の国土や歴史への愛情」への自覚を明記。領土教育も拡充した。選挙権年齢の18歳以上への引き下げを踏まえ、公民科では公正な判断力を養う必修科目「公共」を設けた。
林芳正文部科学相は改定案の公表に合わせて談話を発表。民間団体が作成した「坂本龍馬」を外し「従軍慰安婦」を明記した歴史用語精選案を踏まえ「生徒が歴史を豊かに学べるよう、歴史用語を削減する規定は設けていない。偏った指導内容とならないよう関連の規定を設けた」とした。
文科省は14日から3月15日まで改定案への意見を募り、年度内に改定する。
今回の改定案では、学習する知識の量を維持した上で、生徒の思考力・判断力・表現力を教科横断的に向上させる観点から、教科・科目構成を再編、1教科27科目を新設した。総則では、知識の理解の質を高めるため、生徒が主体的に学べるよう討論などを取り入れる授業改善を求めた。
新設される「歴史総合」では「自由・制限」「開発・保全」などの議論の軸を設定して、どちらかのみに着目しないよう留意することを明記したほか、現在の視点で過去を一面的に捉えることがないよう注意を促すなど内容の取り扱いを従来に比べて詳細に示した。学校教育法などに基づく法的拘束力のある指導要領に盛り込むことで、学校現場での実効性を確保した。
高校の授業では近現代史で日本をことさらおとしめる傾向があり、今回の偏向是正規定の新設で一定の歯止めが期待される。