(筆洗)米国では学校での発砲事件が止まらない - 東京新聞(2018年2月16日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018021602000126.html
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米国サウスカロライナ州に住むエバオルセンさん(8つ)が持っている児童文学の名作『大草原の小さな家』には、あちこちに、シールが貼られているという。いたずらではない。彼女が、シールで「銃」「血」「殺」といった文字を隠したのだ。
彼女は小学一年の時、乱射事件に遭った。学校に侵入してきた少年が発砲し、級友のジェイコブ君が命を奪われた。心に深い傷を負った彼女は学校へ通えなくなったが、通学する友だちや弟のことが心配でたまらない。
その思いをエバさんは、手紙に書いた。<親愛なる大統領さま…私の親友ジェイコブはうたれて、死にました…私は彼が大好きで、大きくなったら結婚しようと思っていました。私は銃がにくい…子どもを銃から守ってください>
だが、米国では学校での発砲事件が止まらない。先月はケンタッキーの高校で十九人が死傷する事件が起き、きのうはフロリダから悲報が届いた。十九歳の男が高校で乱射し、生徒ら十七人が殺されたのだ。
ワシントン・ポスト紙によると、エバさんは大統領から返事をもらったが、「米国民を守り、国の安全を向上させるため力を傾注し続ける」といった言葉が並ぶ内容に納得がいかず、「どうやって守るのか」を問う手紙を再び書いたそうだ。
トランプ大統領は、どんな手紙を書くか。エバさんたちを安心させる返信が書けるだろうか。